京都大好きトーク!門川市長とゲストの“きょうかん対談”

第十回「ひと」 走るひと、応援するひと、支えるひとが一体となるまち
門川大作京都市長 × 早狩実紀さん (女子3000m障害日本記録保持者)、森脇健児さん (タレント)
門川京都市長・早狩実紀さん、森脇健児さん 対談写真
門川京都市長・早狩実紀さん、森脇健児さん 対談写真
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門川京都市長・早狩実紀さん、森脇健児さん 対談写真
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<プロフィール>
早狩実紀/1972年、京都府宇治市生まれ。同志社大学卒業。京都光華AC(光華女子学園陸上競技実業団クラブ)所属。女子3000m障害の日本記録保持者で、全日本選手権は五連覇中。全国都道府県対抗女子駅伝競走大会には選手として20回出場、2011年の第29回大会では京都府チームの監督を務め、2年ぶり14回目の優勝に導いた。
森脇健児/1967年、大阪府枚方市生まれ。桃山学院大学卒業。洛南中学・高等学校時代に陸上部に所属。高校3年の時に「第1回松竹芸能タレントオーディション」に合格し、タレントに。2006年には「森脇健児アスリートクラブ」(現「森脇健児陸上競技部」)を立ち上げ、ランナーとしても活躍。2010年より京都美山高等学校の特別顧問に就任。

フルマラソンで京都が一つになる
早狩実紀さん門川市長 今日は京都を代表するランナーの早狩さん、森脇さんに、西京極陸上競技場にお越しいただきました。ここに来ると1月の全国都道府県対抗女子駅伝の感動のゴールがよみがえってきますね。
早狩さん ああ、ここを選手が走ったんだなあって感慨深いです。
門川 今年は大雪で開催自体が危ぶまれた中での、ハラハラドキドキの展開。そして堂々たる京都チームの優勝でした。早狩さんは選手として20回出場され、2年前にはコーチ兼選手として優勝と同時に大会記録を樹立。今年は監督として優勝に導かれた。チームの雰囲気も本当によかったですね。
早狩 監督とはいえ、私は現役選手でもあるので各選手との距離は近かったと思います。指導経験もなくとまどいも多かったんですが、逆に選手たちは「監督に責任の重圧をかけたらあかんし、ちゃんとしないと」と思ってくれたようです(笑)。
門川 それこそ最高の指導者です(笑)。
森脇さん ぼくも、西京極陸上競技場には特別な思い出があるんです。1982年に京都府総合体育大会の400m走で優勝したんですよ。西京極は、陸上選手にとっては聖地。球児たちの甲子園と一緒です。
早狩 本当にそう。西京極は全国の陸上選手にとって憧れの場所です。
門川 国体の第1回も行われた伝統ある競技場ですからね。2005年からは早朝から夜まで使えるよう利用時間を長くして、より利用していただきやすいように改善したんです。五輪メダリストの朝原宣治さんも「ここでの練習が北京でのメダル獲得につながった」とおっしゃってくださいました。
早狩 朝原君は大学の同級生なんです。彼もここで練習したんですね。
門川 森脇さんはテレビ番組「走る男」でも知られる芸能界屈指のランナーですが、普段はどこで走る練習をされているのですか。
森脇健児さん森脇 ぼくは主に嵐山、渡月橋から嵯峨野の竹林のほうです。番組で日本全国を走りましたが、京都のまちは地元というひいき目を差し引いても世界一すばらしいコースだと思いますね。世界遺産があり、眺めも最高。世界中から人が集まって散策したりジョギングしたりしてる。桂川沿いでは地元の幅広い世代の人が走っている。かと思ったら、前からオリンピック選手の野口みずきさんが走ってくる。こんな贅沢(ぜいたく)なコースほかにないですね。
早狩 私は西京極競技場の中だけでなく、よく外周を走ったりしています。長く走りたいときは、嵐山のほうまで行ったり、鴨川沿いやまち中なども。景色がいいし春の桜、秋の紅葉もきれいです。京都は駅伝が多いから、みなさん長距離走に関心が高く、市民ランナーの方もよく見かけます。
門川 今、全国的にマラソンブームですが、その火付け役が京都シティハーフマラソンだといわれています。これを「ぜひフルマラソンに」という多くの人の声を受けて2年間中断し、今、来春の京都マラソン開催に向けて関係者と準備中です。
森脇 今年は大阪や神戸でも開催されますが、それらは"東京マラソンに対抗"という感じがします。京都マラソンは一線を画して、世界中からランナーが集うニューヨークシティマラソンなどがライバルの大会になるんじゃないですか。
門川 「世界遺産コース」「山紫水明コース」ともいえる大会コースに、多くの方が期待してくださっていますが、そう言っていただけるとますます心強いですね。
森脇 京都が誇る「おもてなしの心」をスタッフ、ボランティア、沿道の方がランナーにいかに伝えられるか、そこがポイントやと思いますね。


スポーツが折れない心を育み、絆(きずな)を強くする

門川大作京都市長早狩 一般の方が参加する大会に行くと、みなさん、心から楽しんで走っておられます。そんな方々と一緒に走ると、自分の原点に返ることができます。
森脇 マラソン大会に出たら、ぼくよりかなり年配の人が、ウソやろ!?という速さで追い抜いていく。そういう姿に、負けてられん、もっと頑張ろうと思う。マラソンが人気なのは、年齢に関係なく練習を積んだ人が勝てるからじゃないですか。
門川 たしかに、ご高齢の方でも全く年齢を感じさせずに走っておられますね。
早狩 選手の場合、記録に限界を感じて、若くして競技から離れる人も多いんです。でも私が長く続けられているのは、結果じゃなくて、無我夢中になれる喜びがあるからだと思います。
森脇 フルマラソンを無我夢中で走りきると、"新しい自分に出会う"って言いますが、たしかにそんな実感があります。走っている間は苦しくて、心も折れそうになる。でも完走するといろんな方から「おめでとうございます」って。そんな素敵な言葉をかけ合うスポーツってマラソンぐらいですよね。
門川 みなさんが自分のペースでゴールを目指す。そしてゴールした人を讃(たた)え合う、すばらしいですね。私も走りたくなってきました(笑)。さて、最後にお二人にとって京都とは、どんなまちでしょう?
森脇 ぼくが今も芸能界で頑張っていられるのは、洛南高校陸上部での汗水たらした3年間があったから。指導者や仲間に恵まれ、粘る心、折れない心の大切さを、京都に教えてもらいました。
早狩 私にとってはやはり女子駅伝の存在が大きいですね。高校1年から選手として強化していただき、"京都に育ててもらった"って本当にそう思います。
門川 今年の女子駅伝のチームには、小学生のときに大文字駅伝を走った高校生選手がいました。小学校の体験が全国大会に、さらに世界につながっていく。またその中で成長しながら人と人の絆が結ばれる。京都市で22年度、市民スポーツ振興の新たな計画を策定し、名称を「スポーツの絆が生きるまち推進プラン」としました。市民のみなさんが生涯を通じてスポーツを楽しむ中で、相互につながり、それが社会的な絆になることを目指しています。
早狩 京都はオリンピック選手も多く出ています。長距離では800mからハーフマラソンまで全て、京都の選手が日本記録をつくったことも。京都記録をつくるには、日本記録を破る意気込みがないと(笑)。
森脇 今の一番の楽しみは、家の近くを子どもと一緒に走ること。中学3年生で陸上部なんですが。走りながらいろんなことをしゃべるんです。すると親子のふれあいができる。至福の時間ですね。
門川 スポーツが強い心を育み、強い絆を結ぶ。お二人の話を伺って、改めて確信しました。今後も京都マラソンをはじめスポーツを通じて、人の絆を深める京都のまちづくりをしっかり進めます。今日はありがとうございました。

(平成23年3月2日収録)



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