京都大好きトーク!門川市長とゲストの“きょうかん対談”

第十三回「ひと」 一歩入れば、とことん温かい。強いきずなで結ばれる京の人びと
門川大作京都市長 × 羽田美智子さん (女優)
門川京都市長・羽田美智子さん 対談写真
門川京都市長・羽田美智子さん 対談写真
門川京都市長・羽田美智子さん 対談写真
門川京都市長・羽田美智子さん 対談写真
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<プロフィール>
羽田美智子/茨城県生まれ。94年に映画「RAMPO」で日本アカデミー賞新人俳優賞、エランドール賞新人賞、95年に「人でなしの恋」で日本アカデミー賞優秀主演女優賞受賞。現在は映画、テレビドラマ、CMのほか、情報番組のナビゲーターとしても活躍している。KBS京都の「京のいっぴん物語」に続き「羽田美智子の京都専科」に出演中。15年以上に及ぶ京都通いで見つけた情報を盛り込んだガイドブック『羽田美智子 私のみつけた京都あるき』『羽田美智子 私のしあわせ京都あるき』でも話題に。

みんなが良くなることを目指すまち

羽田美智子さん門川市長 羽田さんは京都のガイドブックを2冊も出され、京都の伝統産業の魅力を紹介するテレビ番組のナビゲーターもされている「京都通」でいらっしゃいますね。
羽田さん いえいえ、京都は奧が深すぎて到底「通」にはなれません。京都のお家でいうと、私は奥行きの長い「うなぎの寝床」の玄関先にやっと入れていただいたくらいです(笑)。
門川 ご謙遜を欠かさないところも含めて「京都通」やなと思いますね(笑)。そもそも京都に目覚められたきっかけは?
羽田 旅行が好きで、海外にもよく出かけていたのですが、「日本から来た」と言うとどの国でも「キョウト・イズ・ビューティフル」と言われる。でも外国の方がこんなに褒める京都を、私は日本人なのによく知らなかったんですね。以前は、京都で「一見さんお断り」の看板を見て、「一見さんって人、よっぽど嫌われているんですね」って言ってたほど(笑)。でも、改めてよく知ろうと意識して京都のまちを訪れたら圧倒されました。同じ日本でもこのまちには特別な何かがある、一体何だろう? と興味を持っていくうちにどんどん京都に魅(み)せられました。
門川 「特別な何か」とは具体的な"もの"ではなく、京都のまちの「心」が羽田さんの心を捉えたということではないでしょうか。
羽田 そうかもしれませんね。テレビ番組でたくさんの職人さんやお店を訪ね、素晴らしいものに出会いましたが、京都ではすべてのものに「心」を感じます。
門川 京都は千年を越える"ものづくり"のまちです。例え部品の一つでも、手間、ひま、心をかける。同時に京都は"ものがたりづくり"のまち。世界最古の源氏物語やマンガのルーツとされる鳥獣戯画が生まれ、能・狂言、茶道・華道・香道、京料理にも、"ものがたり"がある。その"ものづくり"と"ものがたりづくり"が融合して、独自の文化が磨かれ、"ひとづくり"が行われてきた。茶道があって茶道具があり、狂言があって衣装、音楽がある。そして人の美意識が匠の技を継承する。そうしたまちづくりが千年を越えて脈々と続いているのが京都です。
羽田 日本人の暮らしの原点が、京都にはちゃんと伝承されていますね。特に東日本震災の後は日本人の意識が変わったと思うのですが、「古き良き時代」に学ぶ、そのお手本が京都だと、今改めて思います。
門川 東日本大震災を機に、社会の在り方や人の生き方・暮らし方が問い直されるなど、日本全体が大きな転機を迎えています。そうした中で京都が果たす役割は大きいと考えています。
羽田 これから目指すべき暮らし方は、例えば職人さんの"ほんまもんのものづくり"が支える細やかで丁寧な暮らし方ではないでしょうか。京都はそんな職人さんの宝庫。誰か一人欠けても成り立たない分業制のまちだから、自分だけが良ければいいのではなく、みんなが良くなければならない。そうしたことも、これからの社会の在り方のモデルになる気がします。

"いっぴん"のまち

門川大作京都市長門川 2冊目のご著書のタイトルは『私のしあわせ京都あるき』ですね。京都のどんなところが、羽田さんを幸せにしているのでしょうか。
羽田 私は本来競争なんか大嫌いなのに、女優として厳しい競争の世界で生きてきました。そうした中で京都に来てみると、皆さん自然体で、誇りをもって自分らしく生き、古き良き文化や伝統など、大切なものを大切に守るというシンプルな暮らし方をしていらっしゃる。人とお話するとご先祖様を大事にする言葉が自然に聞かれ、まちかどには鍾馗(しょうき)さんやお地蔵さんが祭られている。お寺や神社に行くと貴重な歴史があり、文化も"使い捨て"ではなく、年月を重ねて価値を高めている。そうしたものに触れているうちに、女優の世界では、歳をとることを恐れていた私の思い込みが、ふっと消えて心が軽くなったんです。年輪は重ねるほど価値が出る、自分の歴史は自分が築いていくもの、人と比べる必要もない、そう考えて生きていけば幸せになれると思えてきたんです。
門川 羽田さんは最近ご結婚されましたね。京都のまちで幸せについて思いを深められた羽田さんが、この度大きな幸せをつかまれたことをとても嬉しく思います。
羽田 先日、門川市長とお会いしたときに、真っ先に「おめでとう」って言ってくださって。すごく嬉しかったです。
門川 京都市では昨年、京都ならではのまちの雰囲気の中で素敵な出会いを見つけていただこうと「京都婚活2010」を開催しました。男女100人ずつの市民の方を募集したところ、1508人ものご応募がありました。
羽田 すごいですね。幸せなカップルが何組も誕生するといいですね。
門川 羽田さんのように(笑)。いろんな生き方がありますが、家族の絆や地域の絆の大切さをより感じる時代、結婚という選択肢も大いに考えてほしいと思います。今年もぜひ実施したいと思っています。
羽田 京都では都会の真ん中で、お年寄りがご近所さんとお話しされてる姿や、小さいお子さん連れのご家族の姿などをよく見かけます。また、京都のお友だちも、おしゃべりすると家族のことがよく話題に出ます。京都は大都会なのに家族密着・地域密着型という感じがします。
門川 京都では家族の絆が核となって地域の強い絆が育まれ、まちづくりの大きな力になってきました。一方でこの「地域力」に関して、京都でも居住形態や生活様式の変化に伴い、町内会・自治会等の加入率の低下が懸念される状況にもあります。そうした中で、京都の財産である「地域力」を更に高めるために、「地域コミュニティ活性化の推進及び支援に関する条例(仮称)」を制定するべく、「骨子(案)」をまとめました。現在、市民意見を募集しており(〜8月10日。担当:地域づくり推進課 電話番号075・222・3049)引き続き市議会、市民の皆さんの叡智を集めて取り組んでまいります。
 さて、今日はたくさん京都への想いをお話しいただきましたが、改めて、羽田さんにとって京都とは?
羽田 心のふるさと。京都に来ると、懐かしさで一杯になって、ほっとして、また明日頑張ろうという気になる。人もものも、私の番組のタイトルでもありました「いっぴん」、すなわち"一品"であって"逸品"、個性が光っていて優れている「いっぴん」揃いのまちだと思います。でもたまに言われる"いけず"は、どこまで気にかければいいか悩みます(笑)。
門川 さらっと聞き流されたらいいですよ。私は至らない点が多く、気に留めなくては(笑)。でも京都には世界最高の技術を持ったような人が、普通にお隣さんにいたりするんですね。そうした京都の「人間力」、「地域力」のすごさを改めて見直し、生かし、京都から日本の未来を切り拓(ひら)いてまいりたいと思います。羽田さんは今後も京都の力強い応援団でいてくださいね。本日はありがとうございました。



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