京都大好きトーク!門川市長とゲストの“きょうかん対談”

第二十五回 一緒に考えよう、未来の京都のまちづくり
赤字脱却!経営改善の成果をお客さまへ。"攻めの経営"で市バスはさらに進化します!
門川大作京都市長 × 長塚京三さん (俳優) × 藤野可織さん (作家)
門川京都市長・長塚京三さん・藤野可織さん 対談写真
門川京都市長・長塚京三さん・藤野可織さん 対談写真
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<プロフィール>
長塚京三(ながつか きょうぞう)/1945年東京都生まれ。早稲田大第一文学部中退後、23歳で演劇を学ぶため渡仏。ソルボンヌ大在学中の74年、フランス映画「パリの中国人」で俳優デビュー。フランスに6年ほど滞在し、帰国後俳優として歩み始める。映画「ザ・中学教師」で毎日映画コンクール男優主演賞。「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」で第21回日本アカデミー賞優秀主演男優賞。著書に「破顔」など。
藤野可織(ふじの かおり)/1980年京都市生まれ。2004年同志社大大学院修士課程修了。編集プロダクションや出版社勤務を経て、06年「いやしい鳥」で文学界新人賞。09年「いけにえ」が芥川賞候補、12年「パトロネ」が野間文芸新人賞候補に。13年「爪と目」で第149回芥川賞を受賞、京都市文化芸術表彰(きらめき賞)を受賞。近著に短編集「おはなしして子ちゃん」、絵本「ぼくは」など。短編集「ファイナルガール」が24日発売される。

京都は"縦軸"で旅ができるまち
長塚京三さん門川市長 本日は、JR東海さんの「そうだ京都、行こう。」のナレーションを20年間担当、京都に深い愛着がおありの俳優・長塚京三さんと、京都で小説を書き続け、昨年芥川賞を受賞された作家の藤野可織さんをお迎えしました。長塚さんは、京都の大学への進学も考えておられたそうですね。
長塚さん ええ。ひょっとしたら藤野さんの先輩になっていたかもしれないんです。古文が好きで京都に憧れて受験、合格してすっかり京都に行くつもりでした。ところが下宿探しなど、着々と準備が進んでいるときに早稲田大学の発表があり、結局東京に残ってしまった。
門川 さらにフランスに渡り俳優人生をスタートされたわけですが、その後京都には?
長塚 やはり、住みたいと思ったくらいなので、ある時期から「どこか行こう」というと京都に来ています。どこを訪れるのでもなく、ただ京都に来る。来て、夜を過ごして、ふらふらと街を歩いて…。
門川 東京とは違う空気を楽しまれている。一方、藤野さんは生まれも育ちも京都ですね。
藤野さん 親元を離れる意味で京都を出てみても、と思ったこともありましたが、結局そのまま京都に。小説家になっても東京に行く考えは全くなくて、ずっと京都で書いています。
長塚 いると落ち着く、京都はそういう不思議な所ですよね。やはり、独特の感覚がある。五感以前で感じるというのかな。それは東京にはないものです。そして京都は「人の目の高さ」が守られている。昔の日本人の平均身長、150センチくらいの目線で見るまちという気がするのです。
門川 人間の目の高さで見る京都。いわば「歩いてこそ京都」、さらに「泊まってこそ京都」。暮らすように旅するまち!ですね。
長塚 ええ。歩いていると僕は、累々と書かれてきた「京都」という"文章"を朗読しているような感覚にも襲われます。千年の歴史あるまちですから、縦軸で旅をする―変わらない何かがある京都に自分の足で立つと、時間軸をさかのぼっているように思うんですね。
門川 「縦軸で旅をする」。いいですね。私も使わせていただきます(笑)。京都は伝統産業から先端産業、iPS細胞まで生み出してきた「ものづくり都市」。同時に「ものがたりづくり都市」でもあります。千年前に紫式部が源氏物語を書き、現代では藤野さんが素晴らしい小説を書く。そしてお茶やお花、さらにはそれらを取り巻く道具や料理と全てに物語性、つまり精神文化が宿っています。自然、宗教、人々の暮らしの哲学―いにしえから受け継がれてきたあらゆるものが有機的につながって、今の京都をつくっているのだと思います。藤野さんが育ったのはそんな京都の真ん中、御所のすぐお近くですね。暮らしの中で、ふと京都の良さを感じることは?
藤野 そうですね…。あまり考えたことがないかもしれません。ただ最近引っ越して、御所の近くに住んでいたころはすごく恵まれていたなあと。以前は、御所はわざわざ行く所ではなく通り道だったんです。いつも自転車で御所を抜け、鴨川まで出てそこからばーっと下る。今は御所も鴨川もあまり通らなくなって、すごく寂しくなりました。まちの真ん中であんなに自然が感じられる環境はなかなかない…。少しの距離でも、離れてみないと分からないものですね。
門川 御所周辺の豊かな生態系も京都の誇りですね。ところで京都をモチーフにした小説の構想も?
藤野 まだ具体的には詰まっていませんが、いつか書きたいですね。京都を舞台にした小説はたくさんありますけれど、自分が普段話している京都弁をせりふに使えたらいいなと思っています。

さらに便利に!本日から市バスが進化!
藤野可織さん門川 小説で京都を感じる旅ができそうで私も楽しみですが、京都を旅するのに、また日常生活にも欠かせない市バスが、今日から一層便利になるんですよ。
長塚 そうですか。僕は桜の時季、市バスに乗って御室の桜を見に行ったことがあります。
藤野 私は普段からよく使わせてもらっています。いつからか市バスの乗り口もすごく大きくなって。
門川 はい。年配の方や障害のある方も乗りやすいノンステップバスを増やしています。ただ、みんなが一番困るのが交通渋滞。そこでマイカーを控えて公共交通優先のまちにする「歩くまち・京都」の取り組みも進めています。同時に、地下鉄・市バスの利便性の向上と経営改革に懸命に取り組んできました。10年余り前、市バスは単年度で52億円の赤字でした。それが、人件費の削減や民間委託の導入、利便性の向上による増客などあらゆる改革に努めた結果、今では単年度では黒字に。累積赤字も解消のめどが立ちました。そこで、大幅増便をはじめとした「市バス新運転計画」をスタートさせます。
藤野 バスが増えるのはうれしいですね。
門川 また、地理に不慣れな観光客の皆さまにも一目で分かるように、通りごとのラインカラーも併せて導入。西大路通は金閣寺を連想させる黄色、河原町通は鴨川・高瀬川に近いので水色といったように、通りに由来した六つのカラーを決めて、市バスの車両やバス停の案内表示に色を付けます。市バス初となる深夜バスも走らせるんですよ。
藤野 それは便利ですね。バスというと、早く終わるイメージでしたが、もっと遅くまで走るんですか。
門川 午前0時ごろまで走ります。他にも、京都駅と四条河原町をダイレクトに結ぶショッピングライナーや、にぎわい施設のオープンが続く梅小路公園と東山・岡崎エリアを結ぶ急行も新設。地下鉄と市バスの乗り継ぎも格段に良くなります。
長塚 いいですね。僕はCMで取り上げた場所にはご縁を感じて必ず行くのですが、これからは市バスで行ってみようかな。本数が増えるのは、行きたいときにすっと行けてとてもありがたいですね。

便利な市バスで味わう京都の魅力
門川大作京都市長門川 この間、徹底したお客さま目線で、さまざまなサービスを展開してきました。例えば、昨秋、目的地に一番速くたどり着ける経路がすぐ分かる無料のスマホアプリ「歩くまち京都」(愛称:バス・鉄道の達人)を開発。先日には英語版も登場。その日の渋滞状況などに応じて市バスの到着時刻を予測する機能を全国で初めて搭載し、最適な乗り換え方法が即座に分かります。それから市バスの接近情報システム「ポケロケ」もあって、バス停に掲げている二次元コードを携帯電話・スマートフォンに読み込めば、あとどれくらいでバスが着くか分かるんです。
藤野 早速使ってみます!実は昔からバスに乗るのが好きなんです。バスから、いつもとはちょっと違う風景が眺められるのが面白くて。
門川 景色といえば、市会でも全会一致で議決いただいた景観条例に従って、経過措置の期限であることし8月末までに屋上の広告物、チカチカの電飾、大き過ぎる看板などを規制します。
長塚 大変な取り組みですね。
門川 期限までにご理解・ご協力を得ようと、今職員100人体制で取り組みを進めています。とりわけ事業者の皆さまには負担になるのですが、長い目で見たとき、歴史都市・京都の価値が必ず上がると確信しています。
藤野 電飾の付いた看板などがなくなると、バスからの眺めも変わりますね。私は時間があるときには、岩倉から岡崎の美術館あたりを経由して、四条方面に向かう市バスで、ゆったり景色を楽しむことがあるんです。これからも、いろんな景色を味わいたいですね。
門川 京都を訪れる全ての方に満足いただけるまち、それは市民の皆さまにとっても住みやすいまちだと思います。そんなまちづくりに市バスの利便性の向上は欠かせません。"攻めの経営"を推進して、これからもより多くの方に喜んでいただけるよう関係者一丸となり努力します。長塚さんの声に引かれて京都へ行こうという方が増えているのは本当にありがたいです。藤野さんもぜひ京都を書いてくださいね。お二方のご支援に感謝しています。



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