京都大好きトーク!門川市長とゲストの“きょうかん対談”

第五回「刷新」 未来をつくる「刷新」のまち
門川大作京都市長 × 朝原宣治さん (元陸上選手)、奥野史子さん (元シンクロナイズドスイミング選手)
門川京都市長・朝原宣治さん・奥野史子さん 対談写真
門川京都市長・朝原宣治さん・奥野史子さん 対談写真
門川京都市長・朝原宣治さん・奥野史子さん 対談写真
春休みの学生が多く集うキャンパスプラザ京都にて、てい談を行いました
<プロフィール>
朝原宣治/1972年、兵庫県生まれ。同志社大学卒。アトランタ、シドニー、アテネ、北京の4大会連続でオリンピックに出場。北京オリンピック4×100mリレーで銅メダルを獲得、陸上トラック競技日本男子初の快挙となった。2008年に現役引退。大阪ガス所属。
奥野史子/1972年、京都市生まれ。同志社大学院修了。幼少よりシンクロナイズドスイミングを始め、同志社大学在学中の92年バルセロナオリンピックのソロ、デュエットで銅メダルを獲得。現在はスポーツコメンテーターとしてテレビや講演会で活躍。京都市教育委員。

やっと普通に見られたオリンピック
朝原宣治さん門川市長 朝原宣治さんと奥野史子さん。ともにオリンピック・メダリストのすごいご夫婦ですが、私には「親しいご近所さん」のお二人です。今日は普段どおりでよろしくお願いします(笑)。特に奥野さんはどんどん素晴らしい選手に成長されて、世界に羽ばたいていかれたと思っていたら、ご結婚・ご出産をされて、朝原さんとご一緒に京都に戻ってこられ、子育てされながらの大活躍。うれしく思っています。
奥野史子さん ありがとうございます。私は京都生まれの京都育ち。現役引退後、東京やアメリカなどでも暮らしましたが、子育てはやっぱり京都でと思い、今は実家の近くで暮らしています。市長には、夫婦でおうちにおじゃましたりしてお世話になっています。よくメダリスト夫婦とか珍しがられますけど、普段はごく普通の夫婦、家族ですよ。三条商店街で普通に買い物したりしてますし(笑)。
朝原宣治さん 僕も大学は京都でしたし、京都には愛着を感じています。京都に暮らして自分もすっかりなじんだつもりですが、妻はやっぱり「濃い京都人」だと感じます(笑)。
 京都に越してきたのは、2007年の世界選手権に引退覚悟で挑戦しようとしていた頃。西京極陸上競技場で練習させてもらい、本当に助かりました。この大会での入賞が北京五輪につながったと思っています。京都市のスポーツ施設は随分利用しやすくなりましたね。
門川 朝原さんのような競技者やスポーツをもっと楽しみたいという方を後押ししようと、早朝や夜の利用時間の延長など徹底した市民目線で大改革しています。おかげ様で利用者も増えています。朝原さんの「西京極がオリンピックにつながった」という言葉は励みになりますね。厳しい財政状況の下、今ある施設を民間の知恵や力も生かし、市民の皆様に喜んでいただけるさらなる改革に取り組みます。
 さて、お二人にとって特別な思いのあるオリンピックだと思いますが、今年のバンクーバーはご覧になられてどうでしたか。
朝原 バンクーバーオリンピックは、やっと一観戦者として普通に応援でき、素直に楽しめました。現役の頃は、0.01秒縮めるために4年間命をかけるというような世界でしたから、ちょっと普通の感覚では見られなかったですね。
奥野  私にとってオリンピックはとにかくつらい思いのかたまりでした。私も引退してから楽しんで見られるようになりましたね。今回の大会も、メダルを獲ってなお悔しがっている選手や、獲れなくても全力を出し切って晴れやかな選手もいる。様々なドラマがあるなあ、オリンピックってやっぱり素晴らしいなあって感動して見てました。
門川 そんなお話を伺うと、お二人が「親しいご近所さん」からまた「すごいメダリスト」に見えてきます(笑)。でも京都には、お二方のような日本を代表するスポーツ選手や、人間国宝、ノーベル賞受賞者といった方々から、地域のおっちゃん、おばちゃんまで、すごい人材がたくさんおられて、共にまちづくりを担っていただいています。「京都はよそと比べて人材が十倍は豊富」と、他都市の方からもうらやましがられたりします。

京都での子育て、そして京都の未来に向けて
奥野史子さん門川 奥野さんには、京都で育ち、今また京都で子育てをされているご経験を生かしていただこうと、京都市の教育委員としてご活躍いただいています。ご自身の子どもの頃のことも含めて京都の教育や子育てについて、感じておられることはありますか。
奥野 私が通った小学校では、当時、毎朝体操着を着て通学し、学校に着いたら全校生徒が一斉に校庭を走って、それが終わってから授業が始まりました。おかげで私、走るのもめっちゃ早いんですよ。「水陸両用」です(笑)。子どもの体力向上のためだったと思いますが、こんな取り組みをする京都の教育ってすごいと今でも思います。
 子育てに関しては、私が仕事で外出も多く、ご近所や周りの人たちに支えられて成り立っていると感謝しています。子どもにも、自分が地域で周りの人に支えられ、育てられていることに感謝する気持ちを、親が地域を大切にする姿で伝えたいと思っています。
門川 素晴らしいことですね。京都には昔から「地域の子どもは地域で育てる」という人づくりの伝統があります。私は、この伝統を生かしながら、子どもを安心して産み育てられるよう、子育て支援を重視した取り組みを進めています。
 来年度予算では、待機児童解消のため保育所10ヵ所の整備などで大幅な定員増(345人増)を行なったり、新たに午後6時から8時まで2時間の延長保育を5ヵ所でモデル実施するなど、保育サービスを一層充実させます。
朝原 僕も、スポーツを通じて役に立てることがあればと思い、子どもたちを育む社会貢献活動に取り組んでいます。子どもたちが生きる力や自信をつけるためには、成功体験や達成感が欠かせません。スポーツはそれを見つけやすく、人を育てる要素がたくさんあると思っています。
門川 京都市では、その子どもたちの未来に大きくかかわるまちづくりの方針、平成23年度以降10年間の新しい「京都市基本計画」の策定に取り組んでいます。朝原さんには、その審議会委員をお願いしていますが、ご自身のご経験や子どもたちへの思いを込めて、ほかの委員の皆様ともども熱心に議論いただいており、感謝しています。さらに多くの皆様の英知を結集し、地域主権時代のモデルとなるような京都の未来を拓(ひら)く計画を策定して参りたいので、引き続きよろしくお願いします。
朝原 私は現役最後の数年、子どもに自分の走る姿を見せたいと思って走りましたが、今も多くの子どもたちに何かを伝えたいという気持ちで、与えられた活動の場で「走り」続けているように思います。
奥野 私が妊娠7ヵ月でアメリカから帰国した時、「日本って生活弱者に優しくない国になってきたなあ」と感じました。大きなお腹でスーツケースを引きずっていても誰も手を貸してくれないし。でも京都なら大丈夫と、今、京都に暮らして改めて感じています。地域の温かい助け合い、支え合いの心があり、そして子どもたちの未来のために真剣に取り組んでくれるパパ(朝原さん)や多くの人たちがいる。私も、自分ができることをしっかり実践していきたいと思います。
門川 最後の方は、さりげなくご夫婦の愛情が感じられるコメントでしたね(笑)。

京都を愛する力
門川大作京都市長門川 さて、改めてお伺いします。お二人にとって「京都」とは?
朝原 私がやってきた陸上競技は個人競技ですが、リレーでは集団で喜びを分かち合える競技でもあります。京都も、個性豊かな人材が多くおられてそれぞれに力を発揮しながら、京都というまちの価値を高め、その喜びをみんなで共有している。そんなまちのように思います。
奥野 現役時代、海外で「京都出身です」というと大抵の人が快く反応してくれました。そんな経験も含めて、私にとって京都は「誇り」です。その誇りを子どもに伝えたいし、人々が「京都を愛する力」をもっと高めたい。「濃い京都人」を増やしたいですね(笑)。
門川 ありがとうございます。お二人は、理想の夫婦として「パートナーオブザイヤー」に選ばれていますが、私が市民の皆様と共に進める京都のまちづくりのベストパートナーとしても、ご活躍いただきたいと思います。今日は「刷新」がテーマ。京都の良さを守りつつ同時に、変えるべきは市民の皆様の声を大切にして「大胆に改革」してまいります。これからもよろしくお願いします。



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