【京都新聞電子版/生涯学習・公開講座特集2008年春号】
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現代社会学科公開講座

ビルマ軍政下の人々〜難民の声を聴く〜

京都女子大学
現代社会学部教授
秋本 勝氏

昨年9月、ビルマでは軍の圧制による民衆の窮状を見かね、僧侶たちが抗議行動として「祈りの行進」を行った。日本人カメラマンの長井健司さんが、取材中に凶弾に倒れ、命を落としたことは記憶に新しい。京都女子大学では、「ビルマ軍政下の人々〜難民の声を聴く」と題し、公開講座を開く。ビルマの現状を知り、見えてくるものとはなんだろう。担当の秋本教授に、講座についてたずねた。

 6月20日は「世界難民の日」
 ビルマ祖国に帰れない、二人の民主化運動家を講師に迎える

1988年に始まったビルマの民主化運動も今年で丸20年を迎える。今回の講座では運動に身を投じ、弾圧を逃れて来日したココラット氏とチョチョアイ氏が講演。注目を集めている。ココラット氏は、当時、高校生で元全ビルマ高校学生連盟書記長。現在、日本でビルマ民主化支援会代表として、各地で講演や運動を行っている(2001年、在日ビルマ政治難民に認定)。またチョチョアイ氏は、ビルマ女性連盟日本代表として、ビルマ民主化運動を展開しながら、特に女性と子どもが抱える問題に取り組む。

「ビルマには、ふるさとに帰りたくても帰れない人が今も増え続けています。現在、タイ国境の難民キャンプには14万人弱、その他の周辺諸国を含めると数え切れません。今回、直接、ビルマ人の生の声を聴き、その苦難の人生を知って、参加者一人ひとりが何かを感じる場になれば」と秋本教授は思いを込める。
開催日は6月21日。前日の20日は『世界難民の日』。19日はアウンサンスーチー女史の誕生日だ。

 報道では見えにくいビルマの“今”がわかる

公開講座では、ビルマ難民の現状を知る資料のほか、映像も用意する。 ココラット氏は、今年2月に難民キャンプ支援のため、現地を訪問。当日は、ビルマの人々の様子を撮った映像を紹介する予定だ。また日本ビルマ救援センターの中尾恵子氏をよび、講演を行う。同センターは、17年にわたり、ビルマ民主化と難民支援を行っている関西のNGO団体。今年3月にタイ・ビルマ国境訪問の際に見聞きしてきた難民キャンプの中での第三国定住措置による大きな変化について取り上げる予定。
 「教師や医療従事者などの頭脳流出(ブレイン・ドレイン)、カレン民族文化の崩壊などをお伝えし、参加者の皆さんも、一緒に考えて頂ければ」と中尾氏は話す。軍事政権下で情報が閉ざされがちなビルマ。報道では見えにくい “今”を知る機会になるはずだ。

 同じアジア人、仏教国として考えたい

昨年9月のビルマ僧による抗議では、粛々と行進する僧侶を、民衆は手をつないで軍の圧力からかばったという。行進中、唱えられたのは「慈悲の経」。敵・味方に関係なく、全ての人に慈しみの心を─というブッダの教えだ。「たとえ暴虐をはたらく軍政の人々にも慈悲の心を持って、彼らの救いを祈ろうという、まさに『祈りの行進』でした」と秋本教授は説明する。

同じアジア人、仏教国として感じることは大きいはずだ。膠着したビルマ民主化運動だが、私たち一人ひとりの関心が高まれば、きっと大きな波に変化するだろう。質問時間も適宜、設ける予定。

入場無料・予約不要。まずは足を運び、知ることから始めてみてはいかがだろう。

(取材=杉谷淳子/ライター)