京 都 新 聞 2004年(平成16年) 12月 5日 日曜日

 大津市、子育て支援センター設立へ 明日都の核店舗跡
 市民参加の仕組み不可欠 京都の「みらい館」モデル

 滋賀県大津市浜大津4丁目の再開発ビル・明日都浜大津の3階(2100平方メートル)に、市が2006年度、子育て総合支援センター「ゆめパーク大津」(仮称)を開設することが11月に決まった。「子育て支援」「浜大津活性化」の両立を目指すが、同ビルは、核店舗の浜大津オーパが業績不振で今年3月に撤退したばかりだ。特定テーマに絞った今回の構想では、多くの市民やボランティアがかかわる必要に加え、横断的に連携する市の運営態勢づくりが成功へのカギとなる。(滋賀本社 石崎立矢)

ボランティアの活動が目立つ京都市こどもみらい館。大津市が子育て総合支援センターのモデルにする(京都市中京区)
 大津市が、施設のモデルと位置付ける京都市の「こどもみらい館」。育児に関する講座や相談室が常設され、親子の遊び場「元気ランド」や子育て図書館は、幼児と父母らで1日中にぎわう。中京区の小学校跡に建設、五年間で延べ約200万人が利用した。

 館内では、ボランティアの姿が目立つ。絵本の読み聞かせや、電話による子育て相談などに約500人が登録し、1日平均約30人が活動する。

 ボランティアには、利用者への「声掛け」に自らの役割を見いだしている様子がうかがえる。図書館で活動する主婦友野紀代さん(47)=山科区=は「子育て中、こんな声を掛けてもらえていたら良かった、という言葉を掛けることが、自分自身うれしい」。元気ランドにいた立命館大3年の藤田真実さん(31)=上京区=も「親子が疎外感を感じないように工夫している。私も楽しい気分になる」と話す。

 こどもみらい館の荒木英昭事務局長はボランティア活動に関して、「子育てに地域全体でかかわる大切さを本人や利用者も実感し、地域で生かしてもらえる」と波及効果を強調する。
 同館は、市の保健福祉局と教育委員会の「共同機構」。市の子育て支援政策監(局長級)が館長を兼務している。

 大津市の場合、ゆめパーク内に設ける軽度発達障害児の支援機能を、手始めに市健康福祉部と市教委の共同運営にする予定。「発達段階に応じて、地域や教育機関と連携できるよう工夫する。療育機能も備える」(市児童家庭課)という。

 併せて市は、親子が遊んだり育児相談のできる「つどいの広場」、公設民営の保育所(30−40人)、乳幼児健診、サークル活動の拠点などを設置する。ボランティアが積極的に関与できる仕組みを整えるという。

 地域の育児サークル代表の井崎美保さん(45)=仰木の里1丁目=は「子育て家庭にどんな支援が必要か、市が現場の姿を把握する拠点にしてほしい。お母さん同士の語らいの空間を中心に、ボランティアが人形劇や読み聞かせをするような場を利用者がつくり上げられればいい」と提案する。科学玩具の普及に努め、七月に明日都浜大津で「木の遊園地」を主催した平野喜三さん(84)=長等2丁目=も「乳幼児が科学に興味を持ち、創意工夫や情操をはぐくむ学びと楽しみの場が滋賀には少なく、ぜひ必要だ」と訴え、運営に協力する予定だ。

 駐車場の料金設定(30分150円)など、利便性向上には見直しの余地も大きい。市中心市街地活性化室の寺田智次室長は「大手流通業者に頼った結果が、撤退による空洞化だった。子育てという間口の広いテーマで、地道でも市民が共感しながらかかわる土壌をつくりたい」と話している。