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| 最新の画像化技術でとらえた血管(赤色部分)と周辺に浸潤する悪性化したがん細胞(緑色部分)=松田道行京大教授提供 |
京都大生命科学研究科の松田道行教授(病理学)、東京大、理化学研究所のグループは二十五日までに、がん細胞の悪性化で働く物質とそのメカニズムを突き止める新たな研究プロジェクトを始めた。最先端の画像化技術と、ゲノム情報の超高速解析装置「次世代シーケンサー」などでがん細胞を解析、乳がんと脳腫瘍(しゅよう)の新たな治療法開発につなげる。
研究プロジェクトは「細胞がん化シグナルネットワークの統合システム解析」で、文部科学省の「革新的細胞解析研究プログラム」(本年度から五年間)に採択された。
■乳がん、脳腫瘍 新治療法に期待
がん細胞は、遺伝子DNAの変異だけでなく、タンパク質合成のために情報を伝えるメッセンジャーRNAや、さまざまな機能が明らかになってきたマイクロRNAの発現の変化によって、浸潤や転移などの悪性化が引き起こされる。しかし、RNAは遺伝子より種類が多く、網羅的な解析は難しかった。
研究プロジェクトでは、二つの物質の接近で光る「FRETバイオセンサー」技術で、がん細胞を悪性度に応じて選別し、それぞれの細胞のRNAを次世代シーケンサーで網羅的に解析し、重要なRNAを特定する。さらに、遺伝子の発現を制御する転写因子の集団をコンピューター解析し、がん悪性化のメカニズムの全体像を分子のネットワークから解明する。
悪性化を防ぐことで効果的な治療が期待できる乳がんと、治療が困難で新たなアプローチが求められている脳腫瘍について年度内にマウスのがん細胞で解析を始める予定。松田教授は「新薬や治療の標的となる物質を探し当てたい」と話している。
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