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「売り手市場」の採用、争奪戦 中小は人材確保に危機感

合同説明会に訪れた学生に仕事の内容や職場環境を説明する地元中小企業の採用担当者ら(京都市南区・京都テルサ)
合同説明会に訪れた学生に仕事の内容や職場環境を説明する地元中小企業の採用担当者ら(京都市南区・京都テルサ)

 2019年春に卒業を予定する大学生らの採用活動は1日、多くの大手企業が面接などの選考を一斉にスタートさせた。景気拡大と企業の人手不足で学生優位の「売り手市場」の様相が一段と強まっており、これから活動を本格化させる中小企業は人材確保への危機感を募らせている。

 「今から始めます」。京都ジョブパークが京都テルサ(京都市南区)で1日開いた地元中小企業の合同説明会。製造業や小売業など15社・法人が参加したが、集まった学生は約30人にとどまり、会場は空席が目立った。

 「5年前までは1回の合同説明会で数十人の学生が集まり、3回参加すれば面接する学生の数は十分確保できたのですが」。工場向け資材を製造する京都府南部の企業の担当者は、数年間で様変わりした採用環境にため息をついた。毎年2、3人の新卒を採用しているが、人数の確保は年々厳しさを増しているという。

 京都市内の切削工具メーカーは今春、大卒の新入社員を迎えることができなかった。初任給は23万円と業界内でも高いが、大手に人材が流れたという。長く求人対象としてきた「機械・電気系」の学生の争奪は特に激しいため、今年は「理系全般」に条件を緩めた。

 内定辞退も中小企業には頭痛の種となっている。会員制交流サイトを運営するガイアックス(東京)の子会社の調査では、今春の新卒者が昨年6月時点で内定を辞退した割合は7・8%で、前年同月より1・1ポイント増えた。企業が内々定を出す時期を早め、学生の意思決定も早まっているという。京都市内の中堅装置メーカーの幹部は「逃げられるのを覚悟で内々定を出す」と内情を打ち明ける。

 中小企業の多くが採用活動に苦戦する中、学生を引きつけるために工夫を凝らす会社もある。フィルム加工の小野工業(宇治田原町)は、京都市伏見区への本社機能移転を計画している。従業員120人のうち総務や営業の担当者十数人を鉄道駅から近い拠点に移す予定だ。企画管理部の川島琴代課長は「駅から遠いと学生は来てくれない。新採に弾みを付けたい」と話す。

【 2018年06月02日 16時30分 】

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