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【記者コラム】同志社大の「検閲」

 良心と自由。同志社の創立者新島襄が重んじた教育理念だ。新島は幕末に密出国して約10年、米国で苦学し教育に目覚めた。帰国後は国民の自立を重んじるため、官製ではない私立大学の必要性を訴えた。熱意は同志社大へ結実した。

 創立から140年がたった。理念は継承されていると思いたい。だが、心配になる出来事があった。

 昨年末、同大から案内が来た催しを取材しようとした。授業の一環で日本の織物文化を伝える内容だった。大学側は、授業名の明記と記事の事前チェックを条件に示した。取材先から記事の確認を求められることはある。だが報道の独立性を維持するため見せられないと説明すると、分かってもらえる。

 同大にも説明したが「条件は譲らない」という。事実を正確に伝えるのは当然だが、「検閲」のような対応は受け入れられない。記事化は見送った。取材を申し入れた時、喜んでくれた学生の声が耳に残った。

 自由を重んじる大学の対応とは思えなかった。後日、詳しく理由を聞くと、一部の授業では目的を正確に伝えるため、取材に先の条件を設けているという。取り組みへの熱意は分かる。だが戦後70年たっても、検閲を受け入れて情報統制に屈した経験を忘れることはできない。

 言論の自由は、記者や大学人が最も重んじる価値だろう。対極にあるのが「検閲」だ。記者の抗議に大学側も「検閲と取られても仕方ない」と認め、条件の撤廃を検討するという。伝統ある同志社の良心を信じたい。

【 2016年01月19日 09時33分 】

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