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教育格差解消、鍵は人的・財政支援 学校が頑張れる条件を

志水教授の提唱するスクールバス・モデル
志水教授の提唱するスクールバス・モデル

 子どもの養育環境に起因する教育格差は全国的な課題だ。京都府教委はその解消を目指すが、他地域の成功例を見ると、専門家の助言や学校現場の努力に加え、教員を補助するスタッフの充実や自治体による財政支援も必要といえる。

 府教委の専門家チームに加わる予定の大阪大人間科学研究科の志水宏吉教授は学力格差解消に「効果のある学校」を「社会経済的に不利な子どもの基礎学力を支える学校」と定義する。就学援助を受ける子どもの割合が多い小中学校は学力テストの平均正答率が低い傾向にあるが、中には好成績の学校もある。志水教授はそうした学校の共通点を見いだし、スクールバスのパーツに当てはめたモデルを提唱した。例えば、エンジンは指導力や結束力に優れた教員集団、前輪はすべての子どもを支える学習指導や生活指導にあたる。志水教授は「府教委の事業では支援先をスクールバス・モデルに近づける」と意気込む。

 効果のある学校で先行事例といえるのが、大阪府茨木市教委だ。08年度から学力格差を縮めるプランを3年ごとに策定。低学力や発達障害の子どもの指導のため、手厚い予算を組み、教員免許を持つ支援スタッフを小中学校に配置するなど多くの対策を打った。その結果、8年間で学力テストの平均正答率は上昇し、40点以下の低得点層も減少。就学援助率が市内で最も高い小学校は、低得点層の割合が07年度は全国平均の3倍だったが、13年度は平均以下にまで減った。同市教委の加藤拓参事は「教員の頑張りも大きいが、市の財政支援がなければプランは絵に描いた餅で終わっただろう」と振り返る。

 阪大の志水教授もこう指摘する。「スクールバスに燃料が欠かせないように、学校が頑張れる条件を自治体や教委が整えるべきだ」

【 2016年03月28日 08時09分 】

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