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近代化支えた教育 資料でたどる、京都学校歴博

機械の分解・設計実習で写真に収まる生徒たち(1925年ごろ、市立第一工業学校)
機械の分解・設計実習で写真に収まる生徒たち(1925年ごろ、市立第一工業学校)

 明治期の京都に誕生した商業学校と工業学校の歩みをたどる企画展が、京都市学校歴史博物館(下京区)で開かれている。生徒が記した卒業論文や完成度の高い工作品、実習風景を収めた写真など約100点を展示。日本の近代化を支える人材育成を目指した、往時の教育現場の息吹が伝わる。

 戦前の中等教育の一つ、男子実業学校として、京都市立では第一から第三までの商業学校と、第一、第二の工業学校があった。これらは戦後の制度変更や統合を経て、現在の西京高(旧西京商業高)、洛陽工業高、伏見工業高へと引き継がれるが、その先駆けとして誕生したのが1889(明治19)年に設立された京都府商業学校と京都染工講習所だった。

 展示では、化学的染色法の普及発展を目指し、京都染業組合の講習所として西洞院通竹屋町上ルに開設され、後に同組合が全ての財を市に寄付して市立染織学校となる経緯などを、写真パネルを交えて紹介。また、元会津藩士の山本覚馬や実業家の内貴甚三郎らが関わり、河原町通御池下ルに開校した京都府商業学校の沿革なども、当時のイラストとともに振り返っている。

 会場には、生徒が記した卒業論文も複数展示されている。その一つ、市立第一商業学校で1921(大正10)年に発表された論文「支那(しな)貿易と我(わが)国の覚悟」は、中国が日本の将来にわたって重要な貿易相手国となる可能性とともに、現地で起きている排日運動の一因が日本人商人の不正行為にあると鋭く指摘。当時の生徒たちの国際情勢に対する思慮深さがうかがえる。

 この他にも、30(昭和5)年のベルギー万国博覧会で大賞を受賞した「つづれ織屏風(びょうぶ)」(市立第一工業学校)、生地に模様をプリントする際の材料などをまとめた「捺染(なっせん)サンプル帳」(同)、市立第二商業学校で校庭(現北野中)の御土居(おどい)の斜面を利用した、観客席がそびえる50メートルプールの風景写真なども見られる。

 同博物館の和崎光太郎学芸員(39)は「近代の京都を支え、時代の最先端を進んでいたかつての学校の姿を、資料を通して見てほしい」と話している。

 入館料200円。3月14日まで。同11日午後2時から和崎学芸員の講演「明治の青年と学校」もある。無料(要申し込み)。同博物館TEL075(344)1305。

【 2017年02月12日 21時49分 】

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