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聴神経を表面移植で再生 京大、難聴治療つながる成果

新しく開発した移植法
新しく開発した移植法

 音の信号を伝える聴神経を再生させる新たな細胞移植の手法を、京都大医学研究科のグループが開発し、ラットで有効性を確認した。聴神経が死んだ際にできる「瘢痕(はんこん)組織」の内部ではなく、表面に細胞を移植することで組織内に定着するようになったという。難聴の治療につながる成果で、米国科学アカデミー紀要で16日発表する。

 内耳の有毛細胞と脳幹の蝸牛(かぎゅう)神経核をつなぐ聴神経の細胞は、腫瘍の切除手術や外傷などで傷ついて死ぬと、その周囲に硬い瘢痕組織が残る。取り除くことが難しく、内部に聴神経細胞を移植しても定着しなかった。

 グループの関谷徹治医師らは、瘢痕組織の表面に聴神経の元になる細胞を移植すると、組織内に入り込んで、聴神経になって定着する現象を見つけた。ラットを使った実験では、45~55デシベルの大きさの音しか聞けなかったのが約3カ月後には35デシベルでも聞き取れるようになっていた。

 顕微鏡による観察で聴神経から軸索が伸び、内耳と脳幹を接続する組織をつくっていることを確認。グループは、細胞が瘢痕組織の構造を足場にして内部に移動し、組織内にある栄養を利用しているとみている。

 関谷医師は「瘢痕組織ができる筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脊髄損傷などでも今回の移植法が有効なのかを調べたい」と話している。

【 2015年06月16日 08時08分 】

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