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琵琶湖の水草で発電 滋賀県立大、バイオガス構想

岸辺に積み上げられる水草。有効活用に向けて研究が進んでいる(昨年6月、草津市・北山田漁港)
岸辺に積み上げられる水草。有効活用に向けて研究が進んでいる(昨年6月、草津市・北山田漁港)

 琵琶湖で過剰繁茂し、刈り取り後の処分も課題となっている水草を、バイオマス資源として活用する研究に、滋賀県立大の伴修平教授を中心としたグループが取り組んでいる。メタンガスを生成して発電の燃料とし、発酵の消化液を藻類製品の培養に利用。水草の乾燥が不要で収益も生まれ、「水草の活用手段を確立することで刈り取りも促され、琵琶湖の環境改善につながる」という。将来的に草津市の湖岸で試験プラントの建設を目指し、研究者と市などが協議している。

 近年、南湖を中心に水草が異常繁茂し、漁業への障害や悪臭の原因となっている。県は毎年2億円以上の費用を負担し、5千~6千トンの水草を除去。刈った水草は2年ほどかけて堆肥化し、無料配布している。採算性や効率の良い活用法が課題だった。

 研究グループはバイオガス発電に注目。水草をメタン発酵させて生成したガスを燃料にして、蒸気タービンで発電する。堆肥化は乾燥させる手間が必要だが、メタン発酵は刈り取った水草がすぐ使える。また、農産地で出荷できない野菜くずを混ぜて発酵させることで、ガスの生成量が高まることも分かった。

 さらにメタン発酵の過程で出る消化液を活用して、クロレラなど藻類を大量培養する技術も研究している。栄養価の高い藻類を水産や畜産向けの飼料に使い、収益につなげる。

 同研究は2014年度から3年間、環境省の助成事業に採択された。最終の16年度は、約200リットルの発酵槽を備えた小規模な試験プラントを県立大に設置し、実証実験に取り組む。

 数年後には琵琶湖岸で、実践的な試験プラントの建設を目指す。場所は草津市内を候補としており、市も協力する。県立大と市は今後、協力協定を結ぶ方針。規模によって異なるがプラントは数億円の建設費がかかるため、大学と県、市が協議して、昨年9月成立の琵琶湖保全再生法に基づき国からの助成が受けられないか検討する。

 伴教授は「元来水草は肥料として取引され、利用価値が高かった。伝統的な知恵と現在の科学を融合させ、循環型社会の確立に貢献したい」としている。

【 2016年01月13日 09時40分 】

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