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カワウねぐら伐採、被害拡散? 京都、周辺は飛び火懸念

伐採が進む桂川右岸の竹林。水面に張り出した竹はカワウ(左上)のふんで白く汚れている(1日、京都市伏見区)
伐採が進む桂川右岸の竹林。水面に張り出した竹はカワウ(左上)のふんで白く汚れている(1日、京都市伏見区)

 京都府内最大のカワウの集団ねぐらがある桂川右岸(京都市伏見区)の竹林を、国土交通省淀川河川事務所が伐採している。アユを食べたり、ふんで樹木が枯れたりするなどの被害が出るため「水辺のやっかいもの」視されるカワウが、伐採により他地域に移動する可能性が高く、漁業協同組合や周辺自治体などが神経をとがらせている。

 伐採しているのは、久我橋下流の3・6ヘクタール。2013年9月の台風18号では近くで水が堤防を越え、一帯約20ヘクタールが浸水した。このため、同事務所が河床を掘り下げて流量を増やす工事の前段として昨年10月から伐採を始めた。

 しかし、竹林にはカワウ730羽(日本野鳥の会京都支部調べ)が夜に集まるねぐらがある。同事務所は、工事を一時中断して府や専門家の意見を聞いたが、伐採により移動するカワウのモニタリング調査を継続するとして、2月から伐採を再開した。

 カワウによる被害は、繁殖地となっている琵琶湖の竹生島で樹木がふんで枯れたことで知られる。東京でも、国指定文化財の浜離宮庭園で樹齢300年のタブノキが枯れ、1996年に大がかりな追い出し作戦を実施した。

 伐採地の上流には竹林や池のある桂離宮があるほか、京都市内の寺社の庭園にねぐらを移した場合も、ふんによる景観被害が出る可能性がある。

 府内水面漁協連合会によると、カワウによる食害は近年拡大傾向にあり、「治水工事でやむを得ないが、伐採を深刻に受け止めている。府内に拡散するのではないか。各漁協では見回りを強化したり、テグスを張ったりしているが、カワウが賢くて効果が上がらない」と危惧する。

 滋賀県は捕獲による生息数調整に取り組んでいる。県自然保護課は「来てほしくないが、伐採するなともいえない。調査を頻繁にして見守りたい」と警戒する。

 生態に詳しい須川恒龍谷大講師は「押し出された集団がサギの営巣地に入り込み、繁殖する可能性もある。行き先を継続的に調査することが重要」と話す。

 淀川河川事務所は「環境への配慮は希少種という観点が主で、たくさんいるカワウは対象外だった。調査から周辺への影響を注視したい」としている。

【 2016年03月17日 11時30分 】

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