出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

受粉なしのナスを商品化 農作業省力化へ京都の企業

タキイ種苗が開発した受粉せずに実をつけるナス「PC筑陽」(滋賀県湖南市・同社研究農場)
タキイ種苗が開発した受粉せずに実をつけるナス「PC筑陽」(滋賀県湖南市・同社研究農場)

 受粉しなくても実をつけるナスをタキイ種苗(京都市下京区)が開発し、今夏から種を販売している。同社が「単為結果性」と呼ばれる突然変異のナスを発見し、農研機構(茨城県つくば市)とともに遺伝子を調べ、従来品種と掛け合わせて商品化にこぎつけた。労力がかかる受粉作業を省けるため、高齢の農家でも栽培しやすいという。

 開発したのは中長ナスの「PC筑陽」。ビニールハウスで秋以降に収穫する促成栽培を想定する。単為結果性のナスはこれまでもあったが、実を付ける割合が5~6割程度だったのに対し、PC筑陽はほぼ全ての花が実をつけるという。実が柔らかく、種がほぼないのが特徴で、九州などを中心に種の出荷が始まった。

 開発のきっかけは2007年、同社が滋賀県湖南市の研究農場でトゲ無しナスの品種を育成していたところ、単為結果性のナスを偶然見つけたことに始まる。11年に農研機構と共同研究に着手。特定の遺伝子が機能を失っているため、実の成長に必要な植物ホルモンが増えることが判明した。ナス科のトマトやピーマンでも、同じ遺伝子の働きを抑えると受粉せずに実が育つと確認した。人気品種のナス「筑陽」を交配させたことで、筑陽の味や形を引き継いだPC筑陽が誕生した。

 ナスの促成栽培は通常、花粉を運ぶ昆虫がいない時期に行うため、着果を促すホルモン剤をナスの花一輪ずつに吹きかける必要がある。ナスの育成にかかる全作業時間の3割を占める重労働という。3月以降はハチなどを使って受粉させる場合もあるが、コストが高くつくのが課題だった。

 農家の平均年齢は66歳と高齢化する一方、栽培規模は拡大しているため、農業現場では省力化や効率化が求められている。同社は「農家の負担軽減につなげ、今後もトマトなど別品種を投入できるよう、研究開発を続けていく」としている。

【 2017年08月13日 13時18分 】

ニュース写真

  • タキイ種苗が開発した受粉せずに実をつけるナス「PC筑陽」(滋賀県湖南市・同社研究農場)
京都新聞デジタル版のご案内

    環境・科学のニュース

      政治・社会

      愛媛知事が加計理事長批判
      記者会見「もっと早くやれた」

      20180619000126

       学校法人「加計学園」の岡山理科大獣医学部新設問題を巡り、加計孝太郎理事長が19日午前に..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      東京タワーもサムライ応援
      青のライトアップ

      20180619000162

       サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本代表の活躍を願い、東京タワー(東京都..... [ 記事へ ]

      経済

      パナ、家電の海外売上高6割に
      22年度までの目標

      20180619000147

       パナソニックは19日、家電分野の海外売上高比率を2022年度までに6割に引き上げる目標..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      旧古河庭園、完成100年目に
      日本庭園は七代目小川治兵衛

      20180619000123

       大正の洋館と和洋の庭が調和する国の名勝、旧古河庭園(東京都北区)は今年、完成から100..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      ホンモロコ、閉校プールで養殖 京都、稚魚4万匹を放流

      20180616000054

       2015年から旧上宮津小(京都府宮津市小田)のプールで淡水魚ホンモロコの養殖に取り組む..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      政府調査委、地震断層の見解出ず
      震度6弱で臨時会合

      20180618000163

       大阪府北部で18日朝に最大震度6弱を記録した地震を受けて、政府の地震調査委員会(委員長..... [ 記事へ ]