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住民が里親、医療人育み10年 滋賀医大の宿泊研修

宿泊研修で、在宅医療に取り組む医師に質問する滋賀医大の学生(大津市・近江勧学館)
宿泊研修で、在宅医療に取り組む医師に質問する滋賀医大の学生(大津市・近江勧学館)

 地域住民が学生の「里親」となり、滋賀に愛着を持つ医師や看護師を育成する滋賀医科大(大津市)の宿泊研修が、今年で10年目を迎えた。医師不足が叫ばれる中、地域医療の担い手確保策として続く全国的にも珍しい取り組みで、これまでに、この制度に登録した学生の中から医師39人、看護師9人が湖国の医療機関に就職した。大学関係者は「卒業生の県内残留率が上がってきた」と手応えを語る。

 宿泊研修は「地域理解・交流事業」として、春と夏の年2回実施。8月22、23日には、医学科7人、看護学科6人の学生計13人が、大津・湖南地域で研修を行った。一行は初日に県庁や三井寺、大津市歴史博物館などを見学して滋賀の歴史を学んだ後、近江勧学館で、在宅医療に取り組む同市の医師と看護師の講演を聴いた。夜は滋賀の地域医療に詳しい里親や教員らを交えた交流会を開き、食事をしながら医療現場の実情などを教わった。23日は比叡山延暦寺や大津赤十字病院などを見学した。

 滋賀医科大がこの制度を始めたのは2008年。11年には外部の人材を交えたNPO法人「滋賀医療人育成協力機構」を立ち上げ、大学内にある「里親学生支援室」と共同で、滋賀の地域医療に従事する医師や看護師を育ててきた。毎年、50~90人前後の学生が制度に登録し、湖国の文化や地域ごとの医療実態を学んできた。11年度に最初の卒業生を送り出した。

 1年から登録し、今夏の研修にも参加した医学科4年の木内亮平さん(28)は「草津市で生まれ育ち、将来的にも滋賀で働きたい。県内在住でも古里について知らないことは多く、文化などを深く学べるのは良い経験になると思った」と参加した動機を語る。同大学里親学生支援室の垰田(たおだ)和史准教授は「制度発足から10年が経過し、地域に根ざして働く卒業生が増えてきた」と話している。

【 2017年08月28日 23時13分 】

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