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XPサポート終了

 映画「男はつらいよ」でフーテンの寅さんとたびたび騒動を起こすタコ社長のせりふが聞こえてきそうだ。「てめえなんかにな、中小企業の経営者の苦労がわかってたまるか」▼米マイクロソフトの基本ソフト・ウィンドウズXPのサポートがきょうで終了する。無防備になったパソコンからウイルスがばらまかれる恐れがあるので買い替えを、と官民挙げて呼び掛けているが、タコ社長のような中小企業の経営者にしてみたら、そんな余裕はない▼IT調査会社の推計では、6月になっても国内のパソコンの7・7%、592万台にXPが搭載されたまま。大阪の信用金庫が中小企業を調査すると、半数がXPを使い続け、多くが「XPで不自由しない」「買い替える資金がない」とずばり答えている▼中小企業だけでなく、財政難の自治体も対応が苦しい。全国の自治体が使うパソコンの13・1%が期限内にXPから更新できないという▼だから中小企業や自治体は遅れている、とは言いたくない。ものを大事にし、壊れるまで使い続けるのは美徳ではなかったか▼XPの買い替え特需で家電量販店がにぎわったそうだ。それでもタコ社長ならXPを使い続ける気がする。消費追求のビジネスモデルから、タコ社長を大切にするITへと成熟する時ではないか。

[京都新聞 2014年04月09日掲載]

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