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ビートルズ来日50年

 「50年前のビートルズ来日公演、実際に見た人いますかぁ」。参加者およそ150人のほとんどが、かなり前に若者だった人たち。その中から1人が手を挙げたので、会場がどよめかないはずがない▼日曜日、京都ノートルダム女子大での来日50年記念コンサート。手を挙げた京都市西京区の小山和子さんは当時19歳。河原町二条のチケット販売所前に並び、抽選に当たる幸運に巡り合った▼「4人をいっときも見落とすまいと必死でしたよ」。高校2年の時に「抱きしめたい」で衝撃を受け、少女にはレコードは高価なので、ラジオにじっと耳を傾けてきたビートルズが、同じ空間にいる▼3日間の5回公演。5万枚のチケットに20万人以上が応募した。あの頃の中高生には東京は遠く、諦めるしかない。筆者もその一人。テレビの視聴率は56%に上った▼音楽雑誌のリポートがある。<どこでもらった招待券か知らないが、興味なさそうな大人達が、泣き叫ぶ女の子を軽蔑の目で見つめる>▼記念コンサートを催したビートルズ研究会の小林順・同大学教授は「何をしてもいいんだ」とビートルズが教えてくれたという。20代のバンドが「ベートーベンをぶっとばせ」を演奏し叫んだ。「さあ踊ろうぜ、足腰に気を付けて」。かつての女の子たちが腰を振った。

[京都新聞 2016年06月28日掲載]

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