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情熱の音

 車いすがぶつかり、大きな金属音が響く。車輪カバーのへこみが衝撃のすごさを物語った。リオ・パラリンピックで日本が銅メダルに輝いた「車いすラグビー」だ▼四肢まひなど、重い障害のある人がプレーできるように考案された競技とは思えない荒々しさに驚いた。「マーダーボール(殺人球技)」と呼ばれた歴史もうなずける▼8月のリオ五輪では7人制ラグビーが4位になった。「王国」のニュージーランドも撃破、大金星を奪い世界の度肝を抜いた。人気低迷に苦しんだラグビーだが3年後のワールドカップ日本大会へ追い風が続く▼国内も本格的なシーズンを迎え、きのう25日には関西大学リーグが開幕した。京都では宝が池球技場や西京極陸上競技場で試合が予定される。相手とのぶつかり合いが認められているスポーツだ。ぜひ会場に足を運んでの観戦をお勧めしたい▼観客席に座れば独特の音が聞こえる。突進する選手とタックルする選手の交錯。8人が塊となって押し合うスクラムの激突。プレーの迫力が音となって次々に飛び込んでくる▼勝ちたい思いが強いほど音が激しさを増すのは、車いすアスリートも芝を駆ける選手も同じだろう。聞こえる音は選手たちの情熱なのだ。冬までの長くないシーズン、リオに負けない熱戦を期待したい。

[京都新聞 2016年09月26日掲載]

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