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(3)お祭り騒ぎW杯

歓喜の連帯感 癖になりそう 佐野惠子
街角のパブリックビューは、ビール片手の観客でいっぱいだ(筆者撮影)

 このところ、寝不足の人も多いのではないだろうか。FIFAワールドカップ南アフリカ大会が6月11日に開幕、7月11日まで開催されるが、ここドイツではグループリーグ戦から連日大賑(おおにぎ)わいである。

 お店の入り口には参加国の国旗を飾り、民家の窓辺にはドイツ国旗や、その日の試合の国旗を並べる家も1軒や2軒の話どころではないほど、皆が楽しみにしている。今年はドイツではリアルタイムの放送のため、夜には繁華街も人は疎(まば)らでレストランはガラガラになる。

 特にFIFAのような大きな試合がある時は、レストランでもカフェでも屋外にテレビを出して観戦できるようにサービスしている。この時期、テレビのないところは、あがったりだそうだ。しかし、テレビがあるところはあるところで、皆がテレビに釘(くぎ)づけになるので、オーダーが少ないらしい。

 試合中はたいてい、皆ビール片手に、ボールの行方に一喜一憂するのが精いっぱい。ゴールが決まると、一斉に席を立ち歓喜の嵐。笛やトランペットが街中あちらこちらで響く。

 歓声を上げ、こんなにも喜びの連帯感を共有できるサッカーは、なんとすごいとドイツに来てからその面白みを知った。何より、言葉を超えた感動がある。「サッカーが好きなら、みんな友達さ」とすぐにビールで乾杯となる。

 勝利の夜には、オープンカフェやレストランの前を走る車は、雄叫(おたけ)びやクラクションを鳴らすのだが、お客も手を振り、同じく歓喜する。「うるさい」と怒鳴る人もいない。時に、誰かがドイツ国歌を歌いだそうものなら、お店中が大合唱になる。不思議な光景、この連帯感は癖になりそうだ。

 繁華街ではパブリックビューイングの大型プロジェクターを設置して、その周りに屋台が出ている。これらは、サッカーチームのスポンサーが提供している。観戦はもちろん無料である。

 京都の京セラはドイツ・ブンデスリーガのボルシア・メンヒェングラートバッハのメーンスポンサーである。

 このチーム、今年で創立110周年を迎える老舗チームだ。歴史あるチームを支えるスポンサーの一つに、京都の企業が参加していた事を、異国の地でうれしく思った。

 1次リーグも終盤。私はここドイツで、日本の勝負に注目をしたい。もちろんドイツビールを片手に。

 日本とドイツにProst!(乾杯)(京都センター主宰)

【2010年6月21日掲載】