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(9)日独交流150周年

節目と旅立ち、より身近な国に 佐野惠子
新春を祝うとともに、日独交流150周年記念のレセプション(フランクフルト日本総領事館提供)

 2011年は、日独交流150周年の節目の年だ。ベルリンでのオープニングセレモニーには、ウルフ大統領はじめ国内外の著名人が参加され、国を挙げての式典となった。

 2国間の歴史に少しに触れてみよう。

 「ドイツ」という連邦国家がまだ存在していない時代からの話である。プロイセン王国の東方アジア遠征団が1860年秋、かつての江戸に到着した。翌61年に日本と修好・通商・航海条約を結び、両国の長年にわたる友好関係の礎が築かれた。そこから計算して今年が150周年目の節目となるのだ。

 時代背景を言えば、60年はあの有名な桜田門外の変があり、和宮降嫁が決まった年でもある。その後、法律や科学、芸術にわたり当時のプロイセンから大きな影響を受けた。今日のわが国の憲法の基礎を作った伊藤博文は、プロイセン憲法を参考にしている。近代国家を築く上でドイツをお手本としたことは数多い。

 フランクフルトでも今年は多くの日本の祭典が予定され、中でも9月のヤーパンタークの日本祭り、10月のジャパンウイークの二つは最も大きな行事となる。新しい試みとして、「フランクフルト音頭」という盆踊りも製作中と聞く。日本の若手ミュージシャンによる作曲、日本人による作詞、振り付けらしく、ドイツ人も日本人も楽しめるようにと総領事館の協力のもと「日独150周年を祝う会」という有志グループが計画している。

 今年はさらに節目があり、日独協会創立100周年を迎えるという。100年も前から日本はドイツと交流していたことに、私は感激した。

 京都日独協会も来年で設立55年を迎える。京都にはドイツ文化センターがあるが、この春から新装オープンし、名称も改め「ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川」となった。京都に居ながらにしてドイツ芸術に触れられる貴重な場となるだろう。

 節目と新たな出発の2011年。先人たちの友好の歴史を忘れず、双方の文化を理解しながら、互いを尊重できる関係を後世に伝えていかなければならない。民間レベルでも交流が多くなることであろう。

 今年はドイツで大きな日本旋風がおこるにちがいない。皆さんの中でも身近なドイツと、感じていただければと思う。(京都センター主宰)

【2011年2月21日掲載】