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(3)着地型観光

地域のプロ おもてなし
観光客に大通寺の歴史を説明する長浜観光ボランタリーガイド協会のメンバー(右端手前)=長浜市元浜町

 県内有数の観光地である長浜市の黒壁スクエア。今年は「江・浅井三姉妹博覧会」の開催で混雑が続く。観光客のガイドを務めるのは地元住民だ。

 長浜観光ボランタリーガイド協会の清水進さん(64)と藤居きよ子さん(66)。長浜城外堀跡の歴史的背景を慣れた口調で話し始めると、浜松市から訪れた観光客が熱心に耳を傾けた。

 地域の魅力や伝統を地元住民が見いだして観光に生かす「着地型観光」。長浜市で、その一翼を担う同協会は1984年に発足した。会員は68人で、平均年齢は67歳。「苦労はありますが、喜んでもらうと次も頑張ろうと思う」と清水さん。地元の歴史を正確に伝えようと、定期的に勉強会も開いている。

 2010年度は延べ約4万9千人を案内し、これまでの累計は50万人以上にのぼる。全国トップクラスと見られる規模にまで活動が広がった理由を、氏原建士会長(70)は「地域の良さは地域に暮らす住民が一番よく知っている。長浜は観光地としての歴史が長く、観光客を前向きに受け入れる気持ちができている」と説明する。

 体験型観光へのニーズの変化や外国人対応など課題もある。それでも氏原会長は「市が着地型観光を推進する中で、われわれの頑張りが地域の活性化や市の発展につながる」と声に力を込めた。

 琵琶湖や野坂山地など自然に恵まれた高島市マキノ町でも、「着地型観光」への取り組みが進む。一昨年5月に窓口となるNPO「マキノツーリズムオフィス」が発足した。

 地元の自然を観光資源として有効活用することを狙いに、四季遊園マキノ交流促進協議会、マキノ里湖体験ツアー協議会など6団体の事務局を一本化した。同オフィスの青谷章会長(57)は「ツアー開催日が重複しなくなるなど効率が良くなり、内容に厚みを増した」と胸を張る。

 各団体で行ってきた体験ツアーや観察会、イベントなどは継続しつつ、オフィス独自の事業として「マキノ自然案内人養成・プログラムづくり講座」を開講した。今年は県内外の60人が楽しみながら受講している。

 「自然体験型観光は限界集落でも実施が可能で、地域興しにもつながる。そのための人材養成とプログラム開発力が欠かせない」と青谷会長。地元の資源を最大限に活用しようと模索が続く。

32団体643人が加入

 ボランティアガイド 県に事務局を置く淡海観光ボランティアガイド連絡協議会によると、2008年度の加入団体数は32団体、会員数は計643人。長浜市には未加盟を含め5団体あり、「江・浅井三姉妹博覧会」を機に発足した小谷城ガイド「語り部」の91人も活躍する。

【2011年5月23日掲載】