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(4)大型店舗

ニーズつかみ 生活密着
大型スーパーで買い物する山尾さん。「遅くまで働いている人には本当に助かる」と話す=近江八幡市堀上町

 卵、ジュース、総菜−。深夜の大型スーパーに訪れた人たちは、次々と商品を買い物カゴへと入れていく。近江八幡市若葉町の日系ブラジル人、山尾ルシアナさん(36)もその一人だった。

 今年3月まで同市内の工場で、家電製品の組み立て作業の仕事をしていた。週の半分は残業し、家に着くのは午後9時前。それから夫(45)と2人の息子のための夕食の材料を買うために、東近江市にある24時間営業の大型スーパーに車を走らせる。「いつも開いている店は、遅くまで働いている人にとって本当に便利で助かる」

 県産業振興課によると、店舗面積1千平方メートル以上の大型店は滋賀県内で計216店を数える。うち14店は24時間営業をしている。大きな駐車場を完備する大型店に車で出向き、食料品などを大量に買い込む−。そんな湖国の生活スタイルの一端が浮かび上がる。

 人の流れが中心市街地から郊外へと広がり、3年前にはピエリ守山(守山市、店舗面積3万8千平方メートル)とイオンモール草津(草津市、同8万6千平方メートル)の開館が相次いだ。だが最近は1万平方メートルを超す大型店の出店届け出は減少傾向で、県へも2〜3千平方メートルの店舗に関する相談が多いという。県産業振興課は景気の落ち込みなどを指摘しつつ、「消費者の生活に近い、小規模なスーパーを多数設置するように方向転換しているのでは」と分析する。

 小売店のようなきめ細やかなサービスで、消費者の心をつかもうとする大型店もある。

 平和堂(彦根市)は買い物を代行する「ホーム・サポートサービス」を昨年9月から彦根市で始めた。同社のOBやパート社員が客の注文や要望に合わせて買い物し、商品を自宅まで届ける。高齢者など「買い物難民」への支援が目的だといい、費用は1回105円(年会費千円)だ。

 同社経営企画部の担当者は「中心市街地に住む人が、商店が少なくなり困っているという声を聞いた。小売店が無くなっていく地域の受け皿という役割をスーパーが担っていきたい」と話す。客の反応は上々で、今年2月には近江八幡市内でも始め、9月からは長浜市内にも広げる。

 今後も湖国では、中部地方を本拠とするスーパーなどの進出が続く見込み。商店街の懐かしい雰囲気に愛着を感じながらも、毎日の生活と大型店との密接な関わりは、まだまだ深まりそうだ。

1000平方メートル超級 来春までに4店増

 県内の大型店 店舗面積1000平方メートル以上の大型店は、来年3月までに計4店が開店予定。食料品スーパーの「バロー栗東店」(本社・岐阜県恵那市)や、CDや本などを扱う「三洋堂近江八幡店」(本社・名古屋市)などで、他地域からの進出も目立つ。

【2011年7月23日掲載】