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香老舗 松栄堂(京都市中京区)

めんのように押し出される線香
押し出される線香を盆板で受ける(京都市中京区)
 まだまだ暑い日が続くが、せめて家の中では快適に過ごしたい。エアコンではなく、香りで涼しさを演出してみるのもいいかもしれない。お香作りの現場をのぞいてみた。
 本社の2階にある香房では、職人が線香作りをしているところを間近に見ることができる。お香は、白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)、桂皮(けいひ)などの香木や香料が使われる。原料に欠かせないのがタブ粉。クスノキ科のタブノキを粉末にしたもので水を加えると粘り気が出る性質があり、つなぎの役目を果たす。
 原料を混ぜて粘土状に練り上げられた素材は、押し出し機にかけられ、線香の形になって出て来る。それを盆板と呼ばれる板で受け、竹べらで両端を切り落とす。まるでラーメンのめんのような軟らかさに驚く。次々と押し出されてくるが、職人は熟練の技でリズミカルに作業をこなしていく。
 約1時間、香房にいただけだが、この日はずっと服からお香の香りが漂っていた。ほのかに香るにおいのせいか、暑かった一日も、普段より快適に過ごせたような気がする。
〈見学メモ〉 京都市中京区烏丸通二条上ル(地下鉄烏丸線「丸太町駅」から徒歩3分)。平日の午前10時〜正午、午後1時半〜3時。要予約。無料。問い合わせはTEL075(212)5591。

原料となる丁字や貝香など