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湯葉に(京都市南区)

昔ながらの製法、手際よく引き上げ
1日に約600枚の湯葉を引き上げる(京都市南区)
 豆乳をたっぷりとたたえた釜から立ち上る湯気が、目の前を真っ白に覆う。工房の中は12月と思えないほど暖かく、Tシャツ1枚でも十分なほどだ。タンパク質を豊富に含み精進料理や煮物で活躍するほか、最近では美白パックにも使用される湯葉。鎌倉時代に中国から伝わったとされ、今なお人々に愛され続けるその製造現場をのぞいて来た。
 工房では豆乳のにおいとともに、おがくずの焼ける香ばしいにおいが漂っている。おがくずを使うのは昔ながらの製法だ。伝統を守り継いでいる。1日に約30キロ入りの袋を12袋ほど消費するという。
 約80度に温めた豆乳は、幾何学的な模様を浮かび上がらせながら薄い膜を張る。それを4代目の勝田実さん(52)が手際よく引き上げていく。湯葉の隅を指でめくり上げ、そのすき間に竹製のくしをすっと滑り込ませる。
 ためらいがあると、途中でくしが引っかかり、破れてしまうという。勝田さんは「思い切りよくくしを入れるのがコツ」と話す。一年でも忙しいこの時期、湯気と熱気の中で、一枚一枚素早く丁寧に引き上げていた。
〈見学メモ〉京都市南区九条大路新千本下ル(近鉄京都線「東寺駅」から徒歩約15分)。平日の午前9時〜11時。年末年始は12月26日〜1月6日まで休み。要予約。無料。問い合わせはTel:075(691)9370。

引き上げられたばかりの湯葉

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