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黒谷和紙工芸の里(綾部市)

伝統の紙すき しっとりと美しく
鮮やかな紙すきの技術に感嘆の声がもれる(綾部市十倉名畑町)
 ズンズン…、という音が木造校舎に重く響く。和紙の原料であるコウゾの皮をたたいて、繊維をほぐしている音だ。
 約800年前、平家の落武者が子孫に残す技として始めたとされる黒谷和紙。今も伝統技法を受け継いでいる。
 閉校した旧口上林小学校を改装して2005年にオープンした工芸の里では、和紙にまつわるさまざまな資料を展示しているほか、職人が実際に作業している姿を間近に見ることもできる。コウゾをどろどろの綿状にほぐした「紙素(しそ)」などが入ったすき船で、簀桁(すげた)をリズミカルに前後左右に揺する。何回か繰り返すうちに、たちまち表面が白くなってくる。
 簡単なように見えるが、この作業の難しさは体験してみればよくわかる。紙の厚さを均等にするため、簀桁は平行に保って揺すらなければならない。しかし、普段の動作にはないこの動きがなかなか出来ない。苦労してすき上げられたばかりの和紙は1センチほどの厚さがある。水分を含んできらきらと輝き、しっとりと美しかった。
〈見学メモ〉綾部市十倉名畑町(JR山陰本線「綾部駅」からバスで約20分)。水・木を除く午前9時半〜午後5時。年末年始は12月29日午後〜1月4日まで休み。予約不要。大人300円、小学生から高校生200円。はがき紙すき体験は700円、6名以上は要予約。問い合わせはTel:0773(45)1056。

すき上げられたばかりの和紙。厚みが感じられる

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