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(8)京阪電鉄交野線(大阪府)=6・9キロ

「星のまち☆」眺望も抜群
【写真上】私市駅を出発する枚方市行き電車(大阪府交野市)
【写真下】「府民の森ほしだ園地」の展望台から望む「星のブランコ」

 梅雨に入る前にと、6月初旬の日曜、京阪電鉄交野(かたの)線に乗った。大阪府枚方市と交野市にまたがる6・9キロの短い路線は、1929(昭和4)年開通の信貴(しぎ)生駒電鉄から80年の歴史がある。交野は読みづらい地名だ。丘陵上の平地「肩野」から転じたともいわれる。

 枚方市街を抜け、交野市に入る付近から田畑が目立ちはじめる。田植えの終わった水田に映る青空がきれい。河内森(かわちもり)駅でJR片町線の河内磐船(いわふね)駅と交差し、13分で終点の私市(きさいち)駅に着いた。この私市も難読。同じ市内の地名、私部(さきべ)と併せて、皇后(きさき)のための仕事をする役所や人びとを指したという。沿線に古墳が点在する一帯は交野が原と呼ばれ、平安時代には貴族の遊行地であったというから、古い歴史に彩られた地のようだ。

 私市駅は大きな丸窓がある山小屋風の三角屋根。駅前の案内図を見て、駅を拠点にしたハイキングコースを「府民の森ほしだ園地」まで歩いた。前半の天野川沿いは急坂もない遊歩道を気分よく数十分。ところが、駐車場から山中に入ると足元は一転、よく整備されてはいるが、数十段の階段が繰り返し現れ、息を切らせての難行となった。

 「星のブランコ」と名付けられた、長さ280メートルの吊(つ)り橋をこわごわ渡り、さらに10分ほど上って展望台にたどり着いたときは、出発から1時間半が過ぎていた。展望台は標高約200メートル。北に枚方や高槻の市街地と背景の山々を望むいい眺めだ。説明写真には京都市街から比叡山、北山まで写っているが、この日は霞(かすみ)の彼方(かなた)に隠れてよく見えない。

 「星のまち☆かたの」のキャッチフレーズがある交野市には、星にまつわる地名や伝説が多い。市の中心部を天野川が流れ、路線中ほどの交野市駅から東西それぞれ2キロ前後に、棚機姫(たなばたひめ)を祀(まつ)る機物(はたもの)神社と牽牛(けんぎゅう)星ゆかりの中山寺跡(枚方市)があり、二人が会った場所と伝えられる逢合(あいあい)橋が、駅近くに架かる。

 交野市のホームページによれば、交野が原は日本の七夕伝説発祥の地とされ、7月7日夕方から、私市駅や天野川周辺で七夕まつりが開かれる。

京阪電鉄交野線

【2010年6月28日掲載】