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中華風水炊き・ピリ辛ソース 手軽に作れてヘルシーに 長年まかないで食べた味

新・都ホテル「四川」 齊藤史郎さんに習う
豚バラの脂身がスープに溶けてうまみに変わる。具を食べた後は付けだれとご飯を入れて、おじやを作っても
 新・都ホテルの中国料理店「四川」の料理長を務める齊藤史郎さん(60)。総勢九人のスタッフに技術を教えながら、四川と広東の二地方の本格料理で腕をふるう毎日だ。
 秋田県能代市出身。父が営む小料理屋を兄に代わって継ごうと、十七歳で上京した。銀座の洋食店に勤めたが「鍋洗いばかりの日々で、すぐ辞めてしまったんです」と笑う。
 いったん田舎に帰って就職しようか−。銀座をぶらぶらしていると目に飛び込んだのが中国料理店に張ってあった「料理人募集」の文字。その場で迷わず店に入った。「当時は中国料理は珍しく、興味を覚えたんです」
 店は四川料理の第一人者、故・陳建民さんゆかりの「近鉄大飯店」で、まかない料理で食べたマーボー豆腐が料理人として道を歩むことを決めさせた。「豆腐料理がこんなにおいしいなんて。衝撃的でした。今も忘れられません」
 中国語が飛び交う調理場。言葉は分からなかったが、「どこへ行っても最初は鍋洗い」と腹をくくり、勘を働かせて仕事を覚え、七年でナンバー2の位置に上り詰めた。
 一九七四年に先輩と京都に移り、東山区の都ホテル(当時)で料理長として活躍。本格的な味で、要人らをもてなす一方、多くのファンを獲得した。九〇年からは大津市のロイヤルオークホテル(同)で香港から来日した料理人に広東料理を学び、その後、総料理長に。ここでも多くの集客を誇った。
 今回の中華風水炊きは長年まかないで食べてきた。「手軽に野菜がたくさん食べられる。豚バラはしゃぶしゃぶで。食べる時は具をスープごと取り、付けだれで味を調節して」。付けだれはサンショウと唐辛子をブレンドした四川料理の麻辣(まーらー)に由来する。「最後は残ったスープにたれを適量入れたら中華スープの酢辣湯(さんらーたん)として楽しめますよ」

レシピ

上から写真A、B、C
 【材料(4人分)】豚バラスライス400グラム、ギョーザ12個、白菜1/2個、豆腐1丁、青ネギ2本、春雨200グラム、固形ブイヨン1個
 付けだれ(食べている途中でたれが薄まった場合を想定し、1人前2回分の分量)しょうゆ大さじ3、酢大さじ2、トウバンジャン小さじ1/2、うまみ調味料少々(好みで)、ごま油少々、粉ザンショウ少々、ネギ少々
 【作り方】
 (1)白菜はゆがいて取り出し、しばらくまな板などにおいて水気を出した後、根元を切り、幅4センチ程度に切る。青ネギは長さ5センチに切り、豆腐は大きめに切る。春雨を戻しておく。
 (2)水1.5リットル(分量外)に固形スープ(中華スープでも可)を溶かして沸騰させる。
 (3)付けだれのネギを切る。5センチ幅のネギを繊維に沿って縦に切り目を入れた後、輪切りする=写真A。材料をすべて混ぜ合わせる=写真B。
 (4)土鍋に白菜、青ネギ、豆腐、春雨を入れ、スープを注いだ後、火にかける。沸騰したらギョーザを入れ=写真C=火が通ったら、豚バラをしゃぶしゃぶしながら食べる。

ワンポイント

「鍋の良さは冷蔵庫にあるものが使えること。豚バラの代わりにアンコウなどの魚もお薦め」と齊藤史郎さん
 白菜の下ゆでは調理時間の短縮と、生のまま煮ると水分が出てスープが薄まってしまうから。大根や新キャベツもお薦めで同じく下ゆでを。豆腐はお好みで絹、木綿、厚揚げを。ギョーザは冷凍や半生でも構いませんが、煮すぎると皮が破れます。付けだれの材料は一味唐辛子や練りごまを代用してもいいですよ。
<作ってみました>
 母と私の夕食に半量で調理。小食ゆえか?食べきれなかったが、二人とも付けだれと豚バラにはまり、翌日昼食まで楽しみました。 (2008年11月13日、京都新聞夕刊)

注意

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