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甘く とろける食感 涼しく

作り方簡単、応用広がる
グラニテは凍らせたシロップをフォークで表面をかき削るとできあがる。桃との相性がよいミントの葉を添えてさわやかな味わいに
 まもなく夏本番。アイスクリームやシャーベットといった冷たいお菓子が恋しくなる。西原金蔵さんは「とても簡単で、おもてなしのお菓子にもなるグラニテを作ってみましょう」と提案する。桃をシロップ煮し、そのシロップを凍らせて桃と一緒にいただくという超簡単レシピだ。
 桃は完熟のちょっと手前を選ぼう。「完熟では煮崩れてしまい、桃の食感も楽しめません」。桃は湯むきする。トマトの場合は切り目を入れるが、桃は手を加えず、そのまま湯に入れる。「必ず沸騰している湯に入れてください。沸騰前に入れると湯にくぐらす時間が長くなり、皮が煮えてしまいます」。いったん湯から取り出し、やけどに気をつけながら指で皮を前後に触ると、皮がするっと動く。これが湯から取り出す目安。皮をむいたら果肉が変色するので、この時もすぐ氷水に。
 シロップに桃を入れて煮る際、うまみが出る種も一緒に加える。その後、落としぶたをして弱火でコトコト約20分煮よう。「ここでは決して強火にしないでください。煮くずれたり、アクが出てしまいます」
 シロップ煮には二つの意味がある。一つは保存。今回はジャムなどと違い、砂糖の量は少ないので、3〜4日で食べきる。もう一つは味を均一化すること。「果物一つとっても、上下によって甘さが違います。シロップで煮ることでおいしさが均一化します」
 グラニテとは氷の結晶という意味。しゃりしゃりした食感のかき氷とは違い、凍らせたシロップは一口ほおばると、軟らかく溶けていく。「シロップを凍らすと、砂糖が結晶化しないので、固まらずふわっと溶けます」
 このレシピも応用可能だ。シロップに寒天やゼラチンを加えればゼリーになる。また飾り付けする際、桃、バニラアイス、グラニテを飾ると、ちょっぴり豪華なパフェ風に。「バニラアイスを加えるともっとクリーミーな一品になります。この場合、桃をちょっと温めてもいいですよ」(行司千絵)

レシピ【映像はこちら

桃の切り方と種の取り出し方
 【材料4人分】シロップ(水500ミリリットル、グラニュー糖100グラム、レモンの輪切り1センチ幅の1枚、バニラビーンズ1/2本、黒コショー5粒)白桃150グラム分(2個が目安)、ミントの葉大10枚
 【作り方】
 (1)シロップを作る。鍋に水、グラニュー糖、バニラビーンズ、黒コショー、レモンの輪切りを入れ、中火にかけておく。
 (2)別の鍋に湯を沸かし、沸騰したら桃を入れる。約30秒後に湯から取り出し(やけどに注意しながら、指で皮の表面を前後になぞり、皮が果肉から外れて少し動くのが目安)、氷水につける。
 (3)桃の皮をむき、半分に切り=イラスト参照、(1)に種と一緒に入れる。落としぶたをして、弱火にし、小さい泡がぷつぷつ出る状態で約20分間、コトコト煮る。果肉に少し透明感が出たら、火からおろす。
 (4)煮汁100ミリリットル分と桃を取り出し、別の容器に入れておく。残りの煮汁を中火にかけ、沸騰したら火を止める。荒く切ったミントの葉を入れ、1分置いた後、網でこす。底の浅いバットに注ぎ、粗熱が取れたら、冷凍庫で凍らせる。
 (5)(4)の表面をフォークでかき削ってグラニテを作る=写真。冷たく冷やした容器に桃、グラニテ、千切りしたミント(分量外、一人分2〜3枚が目安)を飾ってできあがり。

ワンポイント

「バニラ棒はあれば、で構いません。また新しいのでなく、一度使ったものでいいですよ」と西原さん
 イチジクやブドウでも応用できます。いずれも皮をむいてください。砂糖の量は果物の重さに対し20%が目安。これは果物の味を損なわない程度の適度な甘さに仕上がります。桃を切る際、ステンレス製のよく切れるペティナイフがお薦めです。
<作ってみました>
風邪で体調不良だったが、それでも苦にならず作ることができる簡単さ。味は発熱の身にも優しい。桃の時期はリピして作りそう。
(2010年7月8日、京都新聞夕刊)

注意

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