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坪倉由美の日々しましま

(5)ワタシも迷ってみたいよ
 毎日何をやってるのと、読者にあきれられてもいけませんので、ここらで私の仕事の話を。ご覧のようにつたないイラストを、紙に描きもしますが、Tシャツや衣服にプリントし、仕事の半分はその作業に費やします。
 シルクスクリーンプリントという、至ってシンプルな技法です。着ていただく方が元気でイイ気分になりますように−。そう思いながら工程を重ねます。
 不定期でアトリエを開放し、どなたにも作品を見ていただけるようにしています。細く長くやっているので、ずっと昔から愛用していただいている方から偶然アトリエの前を通りがかった方まで、いろいろな方が来られます。
 先日、私のTシャツの長年のご愛用者Nさんが来られました。私と同世代の男性で、美容師さんです。本業のほかに地元の小学生にラグビーを教えたり、バンドを組んでライブをしたりと、体も心もパワフルな方。ライブで私のTシャツを着用した時の写真を見せていただいたりすると、作者冥利(みょうり)に尽きます。
 息子がお世話になった保育所の先生方とも長いお付き合い。「センセ〜、このオッチャン、何してはるん?」。Tシャツのキャラクターを指さして子どもたちが聞いてくるそうです。先生と子どもたちの想像のなかで「オッチャン」は喜んだり、怒ったりしながら、作者の思いもよらぬ方向へ一人歩きをします。どうか達者でと願います。
 卒業を間近に控えながら、進むべき道に迷う美大生もふらりと入って来ます。四半世紀以上前の自分を重ねて話を聞くウチ、心底うらやましくなる。若さゆえ迷うのだ。ナンでしたら変わりましょう!。
【2007年12月6日掲載】