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坪倉由美の日々しましま

(10)ヒサコさんは頼みの綱
 前回に引き続き、再びヒサコさんにご登場願います。布作家のヒサコさんの作る服はどれもすてきだけれど、料理もとてもお上手です。
 時折、おすそ分けをいただきます。先日もお手製のいなりずしをいただきました。ここ数年食べた中で一番おいしいおいなりさん、感激しました。その日の夕食に汁物を添えて出しました。「これ、ヒサコさんが作らはってん」。夫に言うと真顔で「え? ヒサコさんとこ、なんかめでたいことでもあったんか?」
 確かに、わが家ではハレの日でないと、いやハレの日でも手作りのおすしは出ますまい。貧相な食卓が忍ばれる素直な発言に思わず苦笑い。夫は自分に割り当てられた四個のいなりずしの半分を残し「これ明日の弁当に入れて」。一度に食べてしまうのが惜しいらしい。今度は泣けてきます。
 この原稿を書いている間にも、ヒサコさんから「コロッケ作ったけど夕食にどう?」とメールをいただきました。ちょうど今夜は何しようかと考えていたところ。「ありがたくちょうだいします!」。画面にハートと音符を踊らせて速攻で返信。
 次のメールは「生のままでいい? それとも揚げとこか?」。どこまでやさしいんやヒサコさん! そりゃ揚げてもらえれば大助かりだけれど、ちょっとは私もがんばらな。生のままでいただきます。
 友人にくだけたメールを送る時、末尾を「オダギリユミより」としては一人楽しむオダギリジョーのファンです。昨年末の突然の結婚会見、しょげる私に、ヒサコさんから慰めのメールが。「お相手は若くてキレイやけど、あんたの方が絶対面白いで」。面白いって言われてもねぇ…。こちらも夫と息子がおりますゆえ、泣く泣く身を引かせていただきます。
【2008年1月17日掲載】