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坪倉由美の日々しましま

(11)駐車券や〜い
 デパートへ息子と車で行き、契約駐車場を利用しました。ご存じの方も多いでしょうが、市内のデパートは三千円以上買い物をすると、二時間分の駐車料金が無料になるシステム。「絶対二時間以内に出るぞ」。たとえ数百円の超過料金でも、出費は極力抑えたいのが主婦の心理。モノであふれるデパートでの衝動買い防止にも「二時間の誓い」は効果的です。
 効率良く目的の買い物を済ませ、最後に地階の食料品売り場に立ち寄り、十五分の余裕を持って車に戻りました。ええ感じです。精算時にモタつかないよう、早めに駐車券も用意しておこう。
 ここでいつもの私通りの展開が待ち受けていました。二時間サービスの認め印を押してもらった駐車券が見当たらないのです。先ほどまでの「ええ感じ」は急転直下。バッグの中身をひっくり返し、財布の中も見ました。車内に落としたかも、と息子とくまなく探しましたが見つかりません。
 係の人に駐車券を紛失した場合どうなるのか尋ねると「入庫時間が分からないので一律五千円いただいてます」。五千円!? ナンとしても阻止せねば! 店内に戻り、私と息子はヘンゼルとグレーテルのごとく落としたパンならぬ、駐車券を求め、さまよいます。
 インフォメーションにも落とし物預かりにも届けはなく、暗たんたる気分を引きずり、最後に寄った地下の練り天売り場に希望を託しました。
 「ああ、これやね。ショーケースの前に落ちてましたよ」。店員さんの手に燦(さん)然と輝くは駐車券! 超過料金六百円を支払いましたが、ハンドル軽く家路に着くことができ、懲りない私の日々は繰り返されます。
【2008年1月24日掲載】