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坪倉由美の日々しましま

(13)腕時計
 好きなアイテムだったはずなのに、ここ数年、腕時計を付けなくなりました。理由は明確。携帯電話で時間も分かるからです。私の周りにもそんな人が増えています。
 以前は、外出時には腕時計を付けるのが習慣で、忘れると右の手首辺りが寂しく、落ち着かなかったけれど、時計よりも忘れるともっとやっかいな携帯電話が外出時の必須アイテム(それも筆頭)になってから、腕時計とは疎遠になりました。
 ところが友人がすてきな腕時計をしていたり、街でおしゃれな女性が何げなく腕時計に目をやってる姿を見かけると、また付けてみたくなりました。この心境の波に乗って「ひとつ新しいのを奮発しよう」と売り場をのぞくのですが、これと思えるのが見つかりません。というか、どれが自分に似合うのか分からなくなっているのです。普段付けていないので、どれを手首に添わせても、しっくりきません。
 男女問わず、普段帽子をかぶり慣れている人は、いろいろなデザインの帽子を装いにうまく取り入れています。帽子を日よけ対策にしか使わない私は、たまにかぶると取って付けたようになります。時計も帽子と一緒で、「付けこなし」があるのではないかと気付きました。
 店頭で腕時計を付けてみても、手首だけが妙に浮いてしまうのは、腕時計を付けなくなって久しいからでしょう。全くそぐわなくならないうちに、再び普段の装いに取り込んで行こうと思います。腕時計を新調した時、うれしくて日に何度も袖口を少しめくって、文字盤をのぞいた感触を久々に味わってみたいので。
【2008年2月7日掲載】