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つじあやの KYOTO GIRLの散歩道

(4)図書館に、自由な心をありがとう
イラスト・ナカムラユキ
 6月に京都新聞で絵本について「ひとこと」を書いたのが縁で、1通の手紙が届いた。京都造形芸術大のこども図書館「ピッコリー」の「なおみ先生」からだ。
 先生は私を覚えていてくれた。22年前、ピッコリーによく遊びに行っていた私は、図書館のお姉さん、なおみ先生が大好きだった。先生は記事を読んであの時の「あやのちゃん」がシンガー・ソングライターつじあやのだと知ったそうです。そしてピッコリー30周年に招待してくれたんです。
 残念ながらツアー真っ最中で会に参加できなかったので、今ここで図書館となおみ先生に「ありがとう」を伝えてもいいですか?
 私は図書館が好きです。中高生の頃(ころ)は府立図書館で借りまくり。おいしいパンの本、分厚い画集、迷いを開く哲学本。大学生の時は図書館が部室代わり。未(いま)だに本は買わずに借りる。
 「何で図書館好きなんや?」。ふと思う。書店に無い本がある。期限があるから早く読める。ハズレでも返せる。
 でも1番の理由は居心地の良さ。静かなのに自由。いろんな本、人がいるのに自分の時間が持てる。古今東西の知が目前に揃(そろ)いつつも、選択権が自分にある贅沢(ぜいたく)さ。
 思えばこんなに面白くて素敵(すてき)な事、10歳にもならない私が知っていた。ピッコリーがあったから。ピッコリーに行けば大好きな絵本と優しく見守ってくれる先生、お友だちに会える。わくわくにこにこ、安心して夢を見ていた。
 好奇心を育て、年の違う子と安心して遊べる場所。そんな子どもたちの憩いの場は今どれだけあるのだろう。ピッコリーは30年間、そして現在も活動を続けている。
 ピッコリー図書館、そしてなおみ先生、私の自由な心を育ててくれてありがとう! もしいつか赤ちゃんを産んだら一緒に遊びに行くね。
2008年12月15日掲載