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インデックス

(9)だれもが感じている孤独

作 品

・ふじのはなやまにぽつんとむらさきいろ
舞鶴市・余内小一年 高橋 歩(あゆみ)

・下校道のってみたいなこいのぼり
京都市・大宅小二年 辻雪輝乃(ゆきの)

・じいちゃんのかおにたんぼのどろがつく
高島市・新旭北小一年 田中樹希(いつき)

ねんてん先生

 高橋さんの句、「ぽつんと」がとてもよい。たしかに山のふじ(藤)は、まわりの緑のなかで「ぽつんとむらさき」だね。むつかしい言い方をすると、〈紫色の孤独〉って感じ。

 孤独って、ぽつんと一人になったときの感じだよ。なんとなくさびしく、なんとなく涙が出るような感じ。そういう感じって、小学校一年生でも大学生でも、おじいちゃん、おばあちゃんでも体験している。この世の人はだれもが孤独な感じになる、そう思うと、まわりの人々が急に身近になるよね、高橋さん。

 辻さんのこいのぼりに乗ってみたい気持ち、これもよく分かるなあ。こいのぼりも辻さんを乗せたいと思って泳いでいるのかも。

 田中さんの句、田植えの風景だね。じいちゃんのまわりで笑い声がわいている感じ。じいちゃんもどろ(泥)のついた顔で笑ったかな。田中さんとじいちゃんの〈いい関係〉が感じられる。そうそう、田中さんも顔に泥をつけて、じいちゃんのような泥顔になってみたら!

(俳人・坪内稔典)

【2009年5月30日掲載】
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