京都新聞TOP > 文化・文芸・教育アーカイブ >ねんてん先生の575
インデックス

(10)今の時代の言葉が光る

作 品

・かたつむり顔はいつだす雨の時
高島市・新旭北小4年 田中颯希(さつき)

・夜の池かえるゲコゲココンカツ(婚活)だ
大津市・滋賀大教育学部付属小6年 大☆実聖(みつまさ)

・きんぎょそうかぜにゆられてはなしかな
京都市・御所南小1年 岩本深友(みゆ)

注)☆は「角」の「ク」の下が「用」のもの

ねんてん先生

 田中さんの句。かたつむりが「雨の時」と答えているようで楽しい。かたつむりは漢字で蝸牛と書くけど、柳田国男という学者の『蝸牛考(かぎゅうこう)』という本があります。全国で240をこえるかたつむりの呼び名を集め、でんでんむし、まいまい、つぶりなどという名前を全国各地の子どもがつけた、と考えた本です。昔の子どもたちは虫や草の名前をつける名人でした。今の子どもはどうだろうか。ゲームの名人?

 大☆さんの句は、「婚活」という今の時代の言葉が光っています。かえる(蛙)の歌声は求愛(プロポーズ)の歌だから、あれ、今の言葉でいえばたしかに婚活だね。

 暦(こよみ)の上では11日が入梅(にゅうばい)。梅雨(つゆ)になると、かたつむりや蛙が目立つ。私の小学生のころ、梅雨どきには小さな蛙がいっぱいはねていて、学校の教室にまで入ってきた。それをつかまえて、ちょっと好きだった女の子の長靴(ながぐつ)にたくさん入れた。女の子が泣いて、先生にひどくしかられました。

 岩本さん。「はなしかな」は「はなしてる」の方がいいかな。ゆれながら、きんぎょそう(金魚草)は楽しい話をしているね、きっと。 (俳人・坪内稔典)

注)☆は「角」の「ク」の下が「用」のもの

【2009年6月6日掲載】
小学生の俳句を募っています。作品3点までと住所、氏名、学校名、学年、電話番号を明記し、はがきは〒604−8577京都新聞文化報道部「ねんてん先生の575」係。メールは575haiku@mb.kyoto−np.co.jp