京都新聞TOP > 文化・文芸・教育アーカイブ >ねんてん先生の575
インデックス

(14)声に出すと、いっそう楽しい

作 品

・前田家のアジサイそろってさきはじめ
京都市・伏見住吉小2年 岡本美鈴(みれい)

・夏つばきふわりとおちて天に行く
京都市・大宅小2年 辻雪輝乃(ゆきの)

・かえるさんゲコゲコゲーコケーロケロ
大津市・坂本小2年 大☆実花

注)☆は「角」の「ク」の下が「用」

ねんてん先生

 まず、岡本さんの句。「前田家」という名前を使ったところがいいね。同時投稿の「風うけてアゲハのさなぎゆれている」もそうですが、前田家ってどんな家か、何のさなぎかと想像(そうぞう)させるところがいいのです。

 「夏つばき」はまっ白の大きな花。咲くとすぐに散ります。そのはかなさが愛されていますが、辻さんはそれを「天に行く」と表現した。この表現がいいなあ。散るようすが目に見えます。「がくの花虫があつまるミュージカル」も楽しい句でした。

 鳴き声だけでかえる(蛙)を表現した大☆さんの句。蛙がたくさんいて、その鳴き声を人もまねている感じ。声に出して読むと、この句はいっそう楽しいね。

 575音の言葉は普段とはちょっと違う別の世界(ちょっとした言葉の世界)を作ります。その言葉の別世界は、たとえば絵や音楽と同じ。絵の具を塗り重ねると画用紙に絵の世界が現れますね。それと同じように言葉を575にして組み合わせると「言葉の世界」が現れるのです。 (俳人・坪内稔典)

注)☆は「角」の「ク」の下が「用」

【2009年7月4日掲載】
小学生の俳句を募っています。作品3点までと住所、氏名、学校名、学年、電話番号を明記し、はがきは〒604−8577京都新聞文化報道部「ねんてん先生の575」係。メールは575haiku@mb.kyoto−np.co.jp