京都新聞TOP > 文化・文芸・教育アーカイブ >ねんてん先生の575
インデックス

(21)気分広く

作 品

・夕立ちと暗さまちがう皆既食(かいきしょく)
京都市・京都女子大付属小4年 吉村 魁

・じゃりじゃりの水着脱(ぬ)いだら塩辛(から)い
京都市・紫明小2年 山中楓加(ふうか)

・鳥取の海へ入ってプーカプカ
京都市・伏見住吉小2年 岡本美鈴

ねんてん先生

 皆既食は今年の夏の大きなできごとでした。吉村さんは「皆既食この世の終わりと古代人」とも作ってくれました。古代人ほどでなくとも多くの人が宇宙の不思議を体験したのではないでしょうか。

 山中さんの句。「じゃりじゃりの水着」に実感がありますね。砂まみれなのでしょうか。しかもその脱いだ水着をなめたのがいいなあ。海をなめている感じ。

 そういえば、わが家には小学校1年のシュウという男子がいて、その子が今年、初めて海に入りました。波がこわくて、波打ち際からいつも逃げていたのですが、瀬戸内の静かな海にこわごわ足を入れたら、その感じがよかったのでしょう。水をはねながら波打ち際を歩きました。そのシュウに教えてやった俳句があります。

  なみのおとうきわのなかでききました  石川広海

 『碧南の575』(黎明書房)に出ている愛知県碧南市の小学校1年生の句です。シュウは言いました。「うきわは来年だよ。今はまだうきわ、持っていないもの」

 岡本さんの句は「鳥取の海」という具体的な地名がとてもいいです。鳥取の海をひとりじめしてプーカプカと浮いている感じ。気分が広くなります。すてきな夏休みでしたね。(俳人・坪内稔典)

【2009年8月22日掲載】
小学生の俳句を募っています。作品3点までと住所、氏名、学校名、学年、電話番号を明記し、はがきは〒604−8577京都新聞文化報道部「ねんてん先生の575」係。メールは575haiku@mb.kyoto−np.co.jp