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(34)夜の暗闇は魑魅魍魎の世界

作 品

・秋の空火の玉みたい夕やけが
京都市・修学院小4年 井上聖流

・マフラーさんそろそろ君の出番だよ
綾部市・西八田小6年 齊藤穂乃花

・夕暮れに走っていても霧の中
綾部市・西八田小6年 十倉直暉

ねんてん先生

 「火の玉みたい」な秋の夕焼(や)けは、なんだかこわいですね。昔は、その夕焼けのころをさかいにして、人間の時間から魑魅魍魎(ちみもうりょう)の時間へと変わりました。外で遊んでいた子どもは夕焼けを見ながら家に帰りました。なおも遊んでいたら、魑魅魍魎、つまり、さまざまなばけものにさらわれるからです。魑魅魍魎は夜の世界にいる怪物です。井上さん、「火の玉みたい」な夕焼けは魑魅魍魎が出てくる気配かもしれませんね。

 さて、夕日が火の玉のようにすとんと落ちてしまうと、急に寒さを感じます。その寒さに魑魅魍魎の気配もありそう。で、人間は寒さにそなえて、たとえばストーブやマフラーを使いますね。齊藤さんの句、マフラーをかっこうよく巻いた少女の姿が想像できます。齊藤さんはなに色のマフラーを巻くのですか。

 十倉さんの句。霧の夕暮れに走っているのですが、霧の中で魑魅魍魎に出会いそうな感じ。

 今週は「魑魅魍魎」という言葉を覚えてください。人間でない不思議(ふしぎ)なもの、それをまとめて昔の人は魑魅魍魎と呼んだのですが、夜の暗い世界にその魑魅魍魎がいると思うと、窓の外の夜がなんだか生き生きした感じになりますね。もちろん、ちょっとこわいけど。(俳人・坪内稔典)

【2009年11月21日掲載】
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