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(37)鮮やか 言葉の風景画

作 品

・あきの空山がまるいよのぼりたい
南丹市・摩気小1年 片山侑真(ゆうま)

・秋の空下からのぞくどんぐりは
南丹市・摩気小2年 関 直人

・落葉ふむにんげんがふむいろんな音
南丹市・摩気小5年 上田佳輝(よしき)

ねんてん先生

 深い霧だった。車のライトをつけて走る。ふいにその霧が晴れると橋があった。そしてその小さな橋の向こうに目的の摩気(まけ)小学校があった。その日、京都府教育委員会の「夢大使派遣事業」でこの学校をたずねた。子どもたちと俳句を作るのだ。

 教室の窓の外には晩秋の空がひろがっていた。紅葉した山もあった。その風景を575の言葉で切り取ったのが片山さん。関さんはどんぐりの気持ちになって、下から秋の空をながめた。

 この学校、1学年1クラスの小さな学校だ。低学年の子どもとは「秋の空」の句を作り、4年生以上の高学年とは「落葉ふむ」句を作った。

 上田さんの句は「にんげんがふむ」とまで言ったところがおもしろい。にんげん(人間)がウサギやタヌキと同じような動物になっている。そしてその人間のふむ音はいろいろ。やはり5年の小寺沙耶さんは「落葉ふむいろんな音が聞こえるよ」と作ったが、これは落葉のたてるいろんな音。

 言葉(ことば)は絵の具や音符に似ている。塗(ぬ)り重ねたり組み合わせたりすると言葉の風景が現れる。その日、摩気小学校の子どもたちは575の「言葉の風景画」を描いたのである。(俳人・坪内稔典)

【2009年12月12日掲載】
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