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(63)響く「イ」の音 楽しいね

作 品

・ツバメの子とんがり口ばしまるいかお
京都市・大宮小1年 高瀬 陽駿

・あじさいはだれがきれいかきょうそうだ
綾部市・西八田小5年 北村愛水華

・あじさいの花をすべるよまるい雨
京都市・京都教育大付属京都小中学校3年 高瀬 風音

ねんてん先生

 高瀬陽駿さんの句、声にだすと、「とんがり口ばしまるいかお」が楽しいね。「イ」の音がなんども響くからでしょうか。ツバメの子に向かって、「とんがり口ばしまるいかお」とはやしたくなります。

 北村さん。あじさいはたしかに競争(きょうそう)して咲いている感じですね。あじさいは紫陽花と書きます。また、別名を七変化(しちへんげ)と言います。紫陽花や七変化という字はいかにも美を競い合っている感じかも。

 その紫陽花の花をすべる雨をとらえたのが高瀬風音さん。「まるい雨」は紫陽花の色に染まっています。何色でしょうか。

こころをばなににたとえん
こころはあじさいの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思い出ばかりはせんなくて。

 これは萩原朔太郎という詩人の「こころ」という詩の一部です。「なににたとえん」は何にたとえようか。「せんなくて」はどうしょうもない、つまり、わすれることができない、という意味でしょうか。この詩、意味はあまり気にしないで音読してください。紫陽花が揺れます。あなたの心のように。(俳人・佛教大教授 坪内稔典)

【2010年6月20日掲載】
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