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(68)季語三つ並べエコの夏強調

作 品

・七夕も三十七回お母さん
京都市・伏見住吉小3年 岡本 美鈴

・あしたさくつぼみかぞえるあさがおの
京都市・嵯峨野小1年 西田 翔

・冷ぼうをうちわにかえてゆうすずみ
京都市・下鴨小6年 高島沙千子

ねんてん先生

 岡本さん。七夕のこのような数え方があるのか、とちょっと驚きました。そうすると、お母さんは30回以上も願い事をしてきたのですね。かなったのかなあ、お母さんの願い。

 西田さん。数えたつぼみの通りに咲きましたか。私も子どものころ、数えたことがありますが、思いがけないところに咲いていて、しばしば予測(よそく)がはずれました。

 高島さんの句、冷房(れいぼう)、うちわ、夕すずみと夏の三つの季語が並んでいます。ふつう、季語は一つでいいのです。一つで季節は分かるから。だから、二つ以上の季語があると無駄(むだ)な感じになります。

 でも、時々ですが、季語だけの句も作られます。有名なのは次の江戸時代の句。

目には青葉山ほととぎす初がつお素堂

 青葉、ほととぎす、かつおの三つの季語を並べて夏が来た喜びを表現しています。つまり、季語を三つも並べたことが喜びの強調になったのです。

 高島さんの句はどうでしょうか。季語を三つ並べて、省エネというか、エコの夏を表現しています。無駄にみえる表現でありながら、その逆のことを言っているのです。そこがとてもおもしろいです。(俳人・佛教大教授 坪内稔典)

【2010年7月25日掲載】
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