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(79)虫や草木とおしゃべりの秋

作 品

・とんぼがねそらをじゆうにとんでいる
京都市・二の丸北小2年 深田 恭平

・虫のこえせみからコオロギおつかれさん
京都市・明徳小2年 荒川 来夢

・あきのあさしあいラッシュでまんいんだ
京都市・嵯峨野小1年 西田 翔

ねんてん先生

 深田さん。とんぼを見上げている深田さんのようすが目にうかびます。スイスイ飛ぶとんぼは、なんだかとても自由でうらやましい感じがします。とんぼになってみたいですね。次の句も二の丸北小学校の児童の作品です。「秋ばれにコメの新米実ります」(4年 谷口美羽)、「オニヤンマ羽をばたばたびっくりだ」(4年 多田彩乃)。

 荒川さん。虫に「おつかれさん」と言ってみる。それだけで虫と急に親しくなります。私の散歩の道には、どんぐりの大きな木などがありますが、幹(みき)に手をかけてそっと話しかけます。「涼しくなったね」とか「雲が近づいてきたよ」とか。声には出さないで話すのですが、木はしずかにうなずいてくれます。

 西田さんの句、電車かバスの風景でしょうか。たとえば土曜日の朝の地下鉄など、試合に向かう中学生や高校生がいっぱいです。そのようすを「しあいラッシュ」と表現したのがおもしろい。「あめだけどたまごがふたごつきみする」も西田さんの句です。思いがけず卵(たまご)に黄身(きみ)が二つありました。雨で見えない月からの贈(おく)り物のような気がして、その卵をしみじみと眺(なが)めたのですね。(俳人・佛教大教授 坪内稔典)

【2010年10月10日掲載】
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