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(81)「小鳥来る」秋の空

作 品

・ことりたちおそらをとんでどこいくの
京都市・祥豊小1年 田村瑛莉那

・秋の朝ぶどうの香りで目が覚めた
綾部市・西八田小 塩見 咲良

・ともだちにバトンわたしてすわりこむ
京都市・嵯峨野小1年 西田 翔

ねんてん先生

 田村さん。小鳥(ことり)について行きたい気がしますね。ところで、俳句では「小鳥」が秋の季語です。秋は外国から小鳥がわたってきますが、学校や家の近くにも小鳥が来て目立ちます。それで小鳥が秋の季語になりました。学校や家、近所の公園などに来る小鳥は「小鳥来る」と言います。

  小鳥来る音うれしさよ板庇(いたびさし)     蕪村

  大空に又(また)わき出(いで)し小鳥かな     虚子

 「板庇」は窓(まど)などの上にある板で作った小さな屋根です。そこへ小鳥が来て歩いているのが蕪村の句です。虚子の句は小鳥が大空に群れているのですね。

 塩見さん。ぶどうの香りで目覚めるなんて、いいなあ。きっとすてきな1日になったでしょう。私は子どものころから天窓にあこがれていました。天窓の下でねると、目が覚めたとき、たとえば雲が見えるのではないでしょうか。小鳥が来ているかもしれません。今なお、天窓は私のあこがれです。

 西田さん。力いっぱい走ったのですね。そのようすが「すわりこむ」という表現からよく分かります。バトンもうまくわせたのですね。「みてまわるうんどうかいをぼくはくも」も西田さんの句ですが、こちらは雲になって高い空から運動会を見下ろしているのでしょう。あるいは、よその学校の運動会まで見るのでしょうか。(俳人・佛教大教授 坪内稔典)

【2010年10月24日掲載】
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