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(97)きたないけど、かわいい表情

作 品

・二月はねせつぶんおにさんあっちいけ
大津市・志賀小1年  宮本 夏

・弟の口から太まきはみ出てる
京都市・常磐野小2年 伊藤 宙輝

・いもうとははな水たれてベトベトだ
宇治市・宇治小1年  田端 未空

ねんてん先生

 宮本さんの家では、「せつぶんおにさんあっちいけ」ととなえて豆をまくのでしょうか。それは「鬼は外!」というかけ声の現代版(ばん)かな。

 伊藤さんの句も節分のようすです。恵方(えほう)を向いて弟が巻きずしの丸かじりをしているのですね。ちょっときたないけど、でもかわいい表情なのかも。

 田端さんの句もきたない妹(いもうと)。妹はかぜをひいているのでしょうか。

 弟や妹は少しきたないのがいいのでしょうか。兄や姉はそんな弟や妹をいじめたくなります。伊藤さんや田端さんの句は弟や妹をおもしろがり、そしてすこしいじめたのですね。でも、こういういじめは明るいです。弟は口からこぼれた太巻きを兄に投げつけるかも。はな水でベトベトの妹はそのはな水をわざと大きな音を立ててすいこんだかも。弟や妹も負けてはいないのです。

 そういえば、私のこどものころ、今から50年以上もむかしのことですが、冬のたいていの小学生は青いはな水を2本、たらしていました。それを学生服のそででふくものだから、男の子のそでは、乾いたはな水が銀色に光っていました。私のそでも光っていました。(俳人・佛教大教授 坪内稔典)

【2011年2月20日掲載】
小学生の俳句を募っています。作品3点までと、住所、氏名、学校名、学年、電話番号を明記し〒604―8577 京都新聞文化報道部「ねんてん先生の575」係。メールは575haiku@mb.kyoto−np.co.jp