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(101)別れと出会いの春が来たね

作 品

・木に耳をあてれば春の音がする
京都市・大宅小1年 辻 咲雪輝

・きょうかしょのおわりがくるよはるくるよ
京都市・嵯峨野小1年 西田 翔

・いよかんはあたりはずれがあったよね
京都市・市原野小6年 山岡 要介

ねんてん先生

 大きな木の幹(みき)に耳をあてる。すると、木の音がかすかにします。辻さんはその木の音を「春の音」と感じたのですね。先日、私は接(つ)ぎ木の名人にインタビューしました。2月から彼岸(ひがん)のころまでがちょうど接ぎ木の時期(じき)なのです。名人が言いました。「眠りからさめて芽が動きだす。そのすぐ前に接ぐのです」と。接ぎ木とは、たとえば渋柿(しぶがき)に甘柿の枝を接ぐこと。接ぐと甘くなります。ウメ、モモ、リンゴ、ブドウ、カキなどは接ぎ木によって改良(かいりょう)し、また実を早くならせます。

 西田さん。教科書(きょうかしょ)が終わると春が来る。そのとおりですね。西田さんは「一年でぼく色にかわるランドセル」とも作ってくれました。これもそのとおりですね。「ぼく色」という表現がとってもいいです。

 山岡さんの「いよかん」もそのとおりですね。皮をむき、実際に食べてみないと、うまいかどうかがはっきりしません。でも、それがミカン類の特色かも。今の発達した技術では甘いかどうかの判定はかんたんにつくと思いますが、でも、すべて分かってしまったのではおもしろくないですね。皮をむき口にしてはじめて味が分かる、そういうことって大事なことかも。山岡君、君はどう思いますか。(俳人・佛教大教授 坪内稔典)

【2011年3月20日掲載】
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