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(109)読んだ人が連想広げて

作 品

・タンポポときいろいバイクあったから
京都市・さがの幼稚園年少 伊藤 碧月(あつき)

・てつぼうで春をぐるんと一(ひと)まわり
京都市・嵯峨野小2年 西田 翔

・わた毛吹き飛んだよ飛んだわたしまで
京都市・嵯峨野小4年 西田 葵

ねんてん先生

 伊藤さん。タンポポとバイクが「あったから」どうしたのか、どのように思ったのか。それはこの句を読んだ人が連想すればいいのです。タンポポとバイクはともに黄色。もしかしたら、バイクを運転するのはタンポポ? そういえば、私には「たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ」という句があります。

 西田翔さん。「春をぐるんと」という言い方がいいなあ。鉄棒(てつぼう)で一回転したとき、まわりの花や木々や青空がいっしょにまわりました。その感じが「春がぐるんと」ですね。

 西田葵さん。タンポポのわた毛といっしょに自分も飛んでゆく、その感じを「わたしまで」と表現しました。この表現によってタンポポと自分が同じになったのです。

 先日のこと、タンポポのあの丸いわた毛がいくつもならんでいたので写真をとっていました。そこへ小学生数人が通りかかり、「この人、自分の頭をとってるよ」と小さな声で言いました。私の頭髪は真っ白の縮れ毛、ぽわぽわです。すると、別の子が言ったのです。「タンポポよりもカリフラワーだよ」。「わたがしにも似てるよ」。少年たちが背後から私の髪をそっと吹いているような、そんな感じがしました。(俳人・佛教大教授 坪内稔典)

【2011年5月15日掲載】
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