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(110)気持ちを伝える会話体

作 品

・つまれずにわたげがとぶこといのります
京都市・御所南小3年 岩本 深友

・ねこちゃんがいつのまにかふえたよね
京都市・西陣中央小4年 伊吹日向子

・いちごつみとりすぎちゃったたべられず
宇治市・宇治小2年 田端 未空

ねんてん先生

 岩本さん。タンポポですね。先日、孫(まご)たちと散歩(さんぽ)をしていたら道ばたにきれいなわた毛のタンポポがありました。「ほら、吹いてごらん」と幼稚園児に言ったら、横からさっと足が出て、そのわた毛をけってしまいました。「おにいちゃん、めっ!」と幼稚園児がおこりましたが、サッカー少年の小学2年の兄は、ハハッと笑って道の先の方へかけて行き、さらになんどもタンポポをけっていました。岩本さんは「ざっそうも春のお手紙出している」とも作りました。風に飛ぶタンポポのわた毛が「春のお手紙」でしょうか。

 伊吹さん。これ、お母さんに話しているのですか。あるいは、お母さんの言葉? 春は猫の子がうまれます。それで、ふと気がつくと、近所の猫が急にふえているのですね。伊吹さんの句は会話体、つまり、だれかに話している感じになっているところがとてもいいです。その会話体が猫への親しみをおのずと示しています。

 田端さん。これもうまそう、あっ、あれもきれい、と摘(つ)んでいると、ついつい余分に摘んでしまいます。そして、ああ、もう食べられないよ、とこうかいします。田端さんの句では「とりすぎちゃった」という言い方にそのこうかいの気持ちが出ています。(俳人・佛教大教授 坪内稔典)

【2011年5月22日掲載】
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