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(3)銭湯絶景

男の子と二人 裸で歌い踊る
絵・小山田徹
 猫なのに銭湯好きの銀猫です。わが相棒のコヤマダ氏も大学で入洛して来て以来の銭湯ライフである。氏いわく「銭湯の気持ち良さと、日本の伝統的生活文化としての素晴らしさを考えると止めたらいかんと思ってさ」。
 ムホホー、家賃払えないから風呂無しに住んでるんちゃうん?と言いつつも、銭湯の気持ち良さには同感。
 「最近は、銭湯に通う方が贅沢(ぜいたく)、セレブやで」
 おいおい、家にヒノキ風呂あるけど、銭湯にも来るのがセレブやで。図に乗りなや。
 さて先日、コヤマダ氏の友人の4歳になる男の子が初めての男風呂デビューをした。彼は母親との二人住まいで、今まで毎日、女風呂に入っていたのだが、コヤマダ氏が初めて男風呂に連れてきたのである。
 戸惑いムズカル子供をなだめつつ裸にし、コヤマダ氏も裸に。脱衣所には4、5人の裸のおじさんたち。男の子は脱衣所の床にしゃがみ込んで大声で一言。
 「アー、オチンチンがいっぱいやー」
 そうか! おまえは今までたくさんのオチンチンを見たことなかったんやなー。
 銭湯中に大声がとどろいて、男風呂も女風呂もドッカーンと大笑い。大人たちは腰に手を当てて仁王立ち。男の子はうれしそうに「オーオーオー、チンチンチン」と歌いながら変な裸踊りを発明。銭湯の帰りにはコヤマダ氏も一緒に2人で踊り歩く。
 おーい、大丈夫か? ワシャ知らんで。少し離れて見るとしよう。

【2008年4月21日掲載】