京都新聞TOP > 文化・文芸・教育アーカイブ >銀縁メガネコの風景探訪
インデックス

(8)石並べ

人間の親子がのんびり河原で
絵・小山田徹
 夏毛になりつつある銀猫です。
 わが相棒のコヤマダ氏は、子供のころからよくいろんなモノを拾う人である。干からびたトカゲやセミなどの昆虫、用途不明の金属片、木の実、貝殻、木片、そして何よりも石ころなど、さまざまな物モノがポケットの中に滑り込む。
 「母親が洗濯の時よく大声あげてたのよね。ポケットからハサミムシとか出てきてさ」
 オカーサンかわいそう。謝ったのかいな?
 「マー、その時は。でも、どうしてもまた入れちゃうんだよね。無意識に」
 ヒドいなー。
 「今でもさ、ポッケの中はいろんな物でさ、いつの間にか満杯なのよね」
 はー、ちょっとは成長しなはれ。
 先日、コヤマダ氏と四歳になる息子のトオキ君、大きな川の河原で石拾いをした。
 「宝の山だね」
 息子そっちのけで石集めするコヤマダ氏に負けずとトオキ君も拾い始め、いつしか夢中に。両手にいっぱい石を抱えては、次に拾いたい石と、捨てなければ持てないというジレンマに陥っていく。
 「もー選ばれへん」
 二人して同じつぶやき。そのうちトオキ君、石を1カ所に大量に集め始め、巨大な円形に並べ始めた。
 「基地やで」
 大きな円はさまざまな線で仕切られ、部屋がたくさんできてゆく。コヤマダ氏も参加。河原には遺跡の様に壮大な図形が。
 「こんな家やったらいいのになー」
 おーい、オレの部屋も忘れんといてよ!

【2008年6月2日掲載】